京の算数学問題#927
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
「小数と分数が難しい…」
これは小学生の多くが抱える悩みのひとつです。そして、保護者の方も「どうやって教えたらいいのかわからない」とお困りになることが多いテーマです。
今回は、小学生が小数・分数を「難しい」と感じる理由と、効果的な教え方について解説していきます。
お子さまがつまづいてしまったときにどう対応すればいいか、ぜひ参考にしてみてください!
なぜ小学生は小数・分数を難しいと感じるのか?
まずは、小数や分数がなぜ難しいと感じるのか、その理由を見ていきましょう。
1. 抽象的な概念に初めて触れるから
小数や分数は、自然数(1, 2, 3…)のようなわかりやすい数とは違い、「抽象的な概念」です。
小学校3年生ごろから、小数や分数といった 「0と1の間の数」 に触れるようになりますが、この段階で戸惑う子どもが多いです。
具体例:分数の1/2と0.5
「1/2は0.5と同じ」というのは、直感的にはわかりにくいですよね。
見た目がまったく違う数字が同じ量を表しているという事実は、小学生にとってはとても抽象的です。
2. 発達段階の違いが影響する
子どもたちの発達段階は個人差が大きく、抽象的なイメージをつかむ力もばらつきがあります。
たとえば、小数や分数を理解するためには「数を分割する」という発想が必要ですが、これは成長に応じて身につく能力のひとつです。
「理解が遅い」と心配しすぎないで
お子さまによっては、「なぜそうなるの?」と納得するのに時間がかかる場合があります。
しかし、これは発達段階の一部であり、「遅れている」ということではありません。焦らず、根気よくサポートしてあげることが大切です。
小数・分数を教える2つのアプローチ
では、具体的にどのように小数や分数を教えればよいのでしょうか?ここでは2つのアプローチをご紹介します。
1. 一旦「そういうものだ」と割り切る
小数や分数を理解するためには、どうしても「抽象的な法則」を受け入れる必要があります。
この段階では、完全に理解しなくても問題ありません。「そういうものだ」と法則を覚え、計算に慣れることを優先しましょう。
保護者の方へ:焦らないことが大事
「ちゃんと理解できているのか」と心配になるかもしれませんが、小数や分数の本質的な理解は中学・高校で深まります。
小学校の段階では、「計算ができるようになること」を目標にしましょう。
2. 体感とイメージで理解をサポートする
もしお子さまが「なんでそうなるの?」と納得しない場合は、具体的な道具を使って「体感的」に学べる工夫をしてみましょう。
分数ブロックを使ってみる
分数ブロックは、視覚的に分数や小数を学べる便利なツールです。
同じ長さのブロックを使い、例えば「1/2と2/4が同じ長さであること」や「1/2は50%と等しいこと」を体感できます。
実際の生活で教える
また、日常生活の中で小数や分数を感じられる場面を活用するのも効果的です。たとえば:
- ケーキやピザを分ける(分数の概念を視覚化)
- 買い物でおつりを計算する(小数の計算を体験)
こうした実例を通じて、数の概念がより身近なものになります。
お子さまがつまづいたときの心構え
1. お子さまの気持ちを尊重する
小数や分数の学習で大切なのは、「わからない」と感じる気持ちを否定しないことです。
「頑張っているね」「少しずつ覚えていこうね」とポジティブな声かけをしてあげましょう。
2. 勉強の楽しさを伝える
抽象的な内容に苦戦すると、算数自体が嫌いになってしまうことがあります。
そのため、算数をゲーム感覚で楽しめるような工夫や、日常生活の中で学びを見つける取り組みが大切です。
まとめ:小数や分数は「ゆっくり」そして「楽しく」学ぼう!
小数や分数は、小学生が初めて出会う抽象的な数の世界です。そのため、つまづくのは当然のことです。
大切なのは、お子さまが自分のペースで学びを進められるようにサポートすること。
一旦「そういうもの」と受け入れる練習をしつつ、納得しない場合は体感的なツールを活用して理解を助けてあげましょう。
分数や小数の学習を通じて、「算数って面白い!」と思える経験を増やしていけるといいですね。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ〜!