京の算数学問題#902
アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で学習塾を運営している油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
先日、小学生の授業で「1万より大きな数」を学んでいたときのこと。
生徒がこう言いました。
「先生!1番大きい数知ってる??無量大数やで!」
なんと、その生徒は桁の単位をすべて覚えていました!でも実は、無量大数より大きな単位があることをご存じですか?
今日は、「数の単位」についての数学雑学をお届けします!大人でも意外と知らない内容なので、ぜひお子さんにも教えてあげてくださいね。
漢字で表す数の単位一覧
まずは、小学校で学ぶ数の単位をおさらいしましょう。
以下が一般的に知られている数の単位です。
一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、抒、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数
これらは全部で21種類あり、江戸時代に出版された『塵劫記(じんこうき)』という書物にも記載されています。
しかし、実際に使う機会があるのは「兆」までがほとんど。
中学や高校になると「10のべき乗」(例:10^9 = 十億)のように指数表記が一般的になります。
そのため、「極」や「無量大数」といった単位はなじみが薄いかもしれません。
でも、無量大数は21種類の単位の中で一番大きなもの……と思いきや、実はそれ以上の単位も存在します!
無量大数と無限の違い
数の単位について学ぶときに、よく「無量大数」と「無限」を混同する方がいます。
そこで、違いをはっきりさせておきましょう。
無量大数とは?
無量大数はあくまで「数の単位」です。具体的には、10^68(10の68乗)を表します。
これは、「10が68個かけ算された数」という意味ですね。
無限とは?
一方、無限は数ではなく「終わりがない」という概念そのものです。
無限はどこまでも続く状態を指し、数として扱うことはできません。記号では「∞」を用います。
無量大数より大きな単位:不可説不可説転
ここからが本題です!無量大数を超える単位があることをご存じでしたか?それは、仏教用語にも登場する「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)」です。
これは、なんと10^37218383881977644441306597687849648128(10の約3.7ウンデシリオン乗)という、想像もつかないほどの大きな数を表します。
この単位は、『華厳経』という仏教経典に記されており、数学というより宗教的な背景で生まれたものです。
日常生活で使うことはまずありませんが、「世界最大の数の単位」として数学好きには有名です。
数学と宗教の意外な関係
数の単位について調べると、仏教などの宗教観が深く関係していることがわかります。
たとえば、0(ゼロ)の概念もその一例です。
古代ギリシャでは「無」という概念がなく、0という数字は存在していませんでした。しかし、インドでは仏教における「虚」や「無」の考え方から、ゼロが数学に取り入れられたのです。
このように、数学の発展にはその時代の宗教や文化が大きく影響を与えています。
私たちが普段使っている数字や計算の裏側には、こうした歴史的背景があると知ると、数学が少し身近に感じられるのではないでしょうか?
まとめ
無量大数や不可説不可説転といった大きな数の単位について学ぶと、普段目にする「億」や「兆」がとても小さく感じられますよね。
そして、数学と宗教や文化とのつながりを知ることで、単なる計算や数字以上の魅力を感じられるのではないでしょうか?
「もっとこんな数学の話を聞きたい!」という方は、ぜひ京都市中京区のアイデア数理塾にお越しください!数学好きの子どもも、これから好きになりたい子どもも大歓迎です。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!