京の算数学問題#885
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
最近、「自己肯定感」という言葉をよく耳にしませんか?
特に教育業界では、研修会などで何度も話題に上がるほど、重要なテーマとして注目されています。
また、「うちの子、自己肯定感が低いんです…」といった保護者のご相談を受けることも珍しくありません。
それほど、自己肯定感は多くの人が関心を寄せるキーワードになっています。
そこで今回は、自己肯定感とは何か、その伸ばし方としての「褒める」方法と注意点について解説します。特に「褒めすぎると逆効果になる」理由について詳しく触れていきます。
自己肯定感とは?
自己肯定感の定義
自己肯定感とは、「自分自身を肯定する力」のことを指します。
簡単に言えば、自分の存在や行動に対して「これでいい」と思える心の基盤です。
これには、自分を正しく認識する力(自己認知力)や、困難に立ち向かう力(レジリエンス)も関連しています。
自己肯定感が下がる原因
失敗経験が続くと、「自分は何もできない」と感じてしまい、自己肯定感が下がることがあります。
例えば、小さい頃から叱られてばかりいる子どもは、「自分はダメな人間だ」と感じやすくなり、自己肯定感が育ちにくいとされています。
自己肯定感が低いとどうなる?
自己肯定感が低い子どもは、以下のような傾向が見られます。
- 他者との比較が増える
自分のできない部分ばかりに目が向き、他人と比べて自信を失ってしまいます。 - 承認欲求が強くなる
他人から認められることを過剰に求め、自分で自分を肯定できない状態に陥ることがあります。 - 依存傾向が強まる
周囲の評価に頼りすぎるため、自立が難しくなる場合もあります。
こうした状態を防ぐためにも、自己肯定感を育むことが重要です。
「褒めること」はなぜ大切なのか?
褒めることは、自己肯定感を育むうえで非常に効果的な方法です。
特に、不登校の生徒が褒められる経験を積むことで、自信を取り戻し、再登校を果たしたケースを多く見てきました。
褒められることで自分の価値に気づき、「自分にもできることがある」と思えるようになるのです。
褒めすぎると逆効果になる理由
しかし、褒め方には注意が必要です。
ただやみくもに褒めるだけでは、自己肯定感が下がる場合があります。
以下、その理由を説明します。
褒められることへの疑心暗鬼
過度に褒められると、子どもは「本当に褒められる価値があるのか?」と疑いを持つことがあります。
この疑念が深まると、本当に褒められるべきときにも、その言葉を素直に受け取れなくなるのです。
子どもの成長を妨げる
やりすぎた褒め方は、「褒められること」が目的になりがちです。
その結果、子どもは他者からの評価に依存し、自分自身で目標を設定したり、達成感を得たりする機会を失ってしまいます。
褒め方のコツ:昨日の自分との「変化」に注目
効果的な褒め方は、子どもの「昨日からの変化」に焦点を当てることです。
具体例
- 遅刻しなかったことを褒める
「昨日は夜遅くまで起きてたのに、今日はちゃんと起きて遅刻しなかったね!」 - 努力の過程を評価する
「この問題、前はできなかったのに、今日はここまでできるようになったね!」
大きな成果ではなく、小さな成長や努力を認めてあげることが大切です。
大事なのは「認める力」
自己肯定感は、自分の良いところだけでなく、悪いところも受け入れる力から育まれます。
認めるとは?
認めるとは、「こういうところがあるから注意しよう」「ここを努力すればもっとよくなる」と自分を受け入れ、改善しようとする力です。
これは投げやりな態度とは異なり、前向きな自己認識を促します。
成功体験の積み重ねが鍵
自己肯定感を高めるためには、成功体験を重ねることが重要です。
ただし、この成功体験は「他人と比較しての成功」ではなく、「昨日の自分との比較」で得られるものです。
まとめ
褒めることは、自己肯定感を育む上で欠かせない要素ですが、「やりすぎ」は逆効果になる場合があります。
大切なのは、子どもの小さな変化を見逃さず、それを言葉で伝えることです。
- やみくもに褒めるのではなく、子どもの成長に着目する
- 昨日の自分と比べてどう変わったかを具体的に伝える
- 良いところだけでなく、改善点も一緒に認める
これらを意識することで、子どもたちの自己肯定感をより健全に育てることができます。
京都市中京区のアイデア数理塾 油谷でした!子どもたちの可能性を広げるお手伝いを、これからも続けていきます。
ぜひお子さんと一緒に、自己肯定感について考えてみてくださいね!