今日の算数学問題#517
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
「二等辺三角形の底角は等しい」ちょうど今、中学2年生は照明問題に取り組んでおりましてその中で二等辺三角形の定義について触れています。
そんなとき生徒から「こんなの誰が思いついたんだろうね」という話がありました。
実はこの定理、数学者のタレスが証明したことがわかっています。
今日はギリシャ七賢人の1人タレスのお話です。
ギリシャ七賢人とは?
紀元前620年〜550年ごろに活躍した古代ギリシャの7人です。
ただ、記録として統一されておらず様々な説が残っており、プラトンがプロタゴラスという書物の中で挙げているのが、アテナイの立法者ソロン、スパルタの民選長官キロン、プリエネの僭主(せんしゅ)ビアス、リンドスの僭主クレオブロス、ミュティレネの僭主ピッタコス、ケナイの農夫ミュソンそして、今回の主題であるミレトスの哲学者タレスが七賢人として記録されています。
タレスは何をした人?
タレスは中学数学でおなじみの「証明」の先駆者です。
中学生で習う、直径の円周角は90°(タレスの定理)や二等辺三角形の底角は等しい、対頂角は等しい、三角形の合同条件など、現代数学の礎を築いた1人でもあります。
タレスがなぜ「哲学の祖」と呼ばれるのか?
貿易商人でもあったタレスは若くして、エジプトやバビロニアを旅します。
その中で学びを深めたタレスは故郷のミレトスに戻り学問に打ち込みます。
自然現象は神の力ではなく、理論と仮説で合理的に説明しようと試みたタレスは従来の神々によって創られたとされる古代ギリシャの宗教観から逸脱したものでした。
一方でタレス自身は神々の存在を否定しなかったと言います。
タレスの合理的思想は、後にソクラテスやプラトン、アリストテレスらにより受け継がれ、プラトンはギリシャの七賢人としてタレスを讃え、最初の哲学者と表現しています。
タレスの論理的思考
タレスはロバに塩を積み川を渡っている時にロバが転倒し、積荷の塩が川に溶けて流れてしまいます。しかし、ロバは川で転ぶと積荷が軽くなることを覚え、わざと転ぶようになります。困ったタレスは積荷に綿を詰め込みます。
案の定ロバが川で転ぶと綿が水を吸って重くなり、ロバの癖が治ったといいます。
タレスの今学ぶべき論理的思考
物事には必ず本質があります。
なぜそうなるのか?その行動をする理由はなんなのか?
その筋道を立てる力が論理的思考力です。
私たちが義務教育で学ぶ数学や算数はまさにこの論理的思考力の基礎を担っています。
ただ感性や直感でで生きることももちろん大切です。
これらは対極にあるようで実はセットなんです。
タレスが神々を信仰しながら、神々が創造したとされる自然現象を論理的に解釈しようとしたように、私たちも感性や直感を否定せず、バランスの良い論理的思考力を身に付けたいものですね。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!