「気をつけてね」が事故率を下げる!? 京の算数学#820

京の算数学問題#820

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算数学コラム

みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!

「気をつけてね」と子どもを送り出す。これは、僕も小さい頃によく言われていた言葉です。 

ちなみに、僕の家族は全員が超がつくほど心配性で、目の前で安全を確認できないと不安になるタイプの人たちでした。

今日は、心理学的な視点でお子様への声かけについて考えてみたいと思います。

ダブルバインドとは?

まずは「ダブルバインド」について説明します。 

これは日本語で「二重拘束」を意味します。つまり、2つの矛盾した命令を同時に受けると、脳が混乱して精神的にストレスを感じる状態のことです。

たとえば、「怒らないから正直に言いなさい!」と言って、子どもが正直に話すと「なんでそんなことをしたんだ!」と怒る。 

子どもの脳内では「怒らないから言ったのに、怒られた」という矛盾が生じて、混乱するのです。

他にも、「勉強しなさい!」と言った直後に「ちょっと夕飯の準備手伝って!」と言うような場合も同様です。 

このように、矛盾した指示を受けると、頭が混乱してしまいます。

言葉が脳に与える影響

このように、言葉がストレートにその人の脳内に定着し、影響を与える現象を「暗示」と言います。 

通常、ダブルバインドはネガティブな影響を与えることが多いですが、心理学者のミルトン・エリクソンはこれをポジティブに活用する方法を開発しました。それが「エリクソニア・ダブルバインド」というテクニックです。

例えば、「どうしたら良くなると思う?」と聞くことで、【良くなる前提】で話が進みます。 

あるいは、「今勉強する?それともご飯を食べてから勉強する?」と声かけすることで、勉強すること自体が前提となり、子どもがどちらにせよ勉強することを選ぶ流れになります。

「気をつけてね」と言うことで事故率が下がる?

実は「気をつけて行ってらっしゃい」と声をかけると、事故率が下がるという統計データがあります。 

これは、「気をつける」という前提を子どもの脳に定着させ、その子が意識的に注意を払うようになるためです。

ですが、もしその子がもともと心配性だったらどうなるでしょう? 

すでに十分気をつけている子にさらに「気をつけてね」と言うと、ストレスが増えるばかりです。これは、かえって逆効果を生む可能性があります。

声かけの前提を考える

大切なのは、その子の性格や状況を見極めて、適切な声かけをすることです。 

どんな前提で話をするかを考えることこそ、心理学の力ですね。

以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!

算数好きあつまれ〜!

京の算数学 解答#820

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