野球を算数で考えてみた 投手成績の求め方 京の算数学#794

京の算数学問題#794

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算数学コラム

みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!

野村克也さんが確立した「ID野球」は、従来の感覚に頼る野球から数字や心理を駆使した理論的な野球へと進化させました。特に「ノムラ再生工場」として知られる彼の指導は、当時としては画期的で、現代のコーチングの先駆けと言えます。選手たちに寄り添いながら、論理的な指導を行う姿勢は、今日でも多くの指導者に影響を与えています。

さて、昨日に引き続き「算数で見る野球」シリーズとして、今日はピッチャーに焦点を当てて数字を見ていきましょう。

防御率

防御率は、投手が1試合(9イニング)あたりでどれだけ点数を取られるかを示す指標です。防御率が0に近いほど、その投手が優秀であることを意味します。

計算式

防御率=(自責点×9)÷投球回数

自責点とは、ピッチャーの責任で失った点数のことです。例えば、ヒットで出塁したランナーがタイムリーヒットで生還した場合、その失点はピッチャーの責任となり、自責点が加算されます。一方、エラーなどによる得点は自責点に含まれません。また、2アウトから野手がエラーをした場合、それ以降にピッチャーが失った点数は全て自責点には含まれないというルールもあります。

歴代最高の防御率は、1943年に巨人の藤本英雄選手が記録した0.73です。また、防御率にも打率と同じく「規定投球回」という考え方があり、投手は所属球団の試合数分の投球回をこなさなければなりません。

奪三振率

奪三振率は、1試合(9イニング)あたりでどれだけ三振を取ったかを示す数字です。

これにより、ピッチャーがどれだけ三振を奪えるかを評価します。

計算式: 

奪三振率=(奪三振数×9)÷投球回数

この指標の面白いところは、奪三振数が多い投手が必ずしも奪三振率が高いわけではない点です。

歴代最高の奪三振率は、2019年にソフトバンクの千賀滉大選手が記録した11.33です。

勝率

勝率は、投手がどれだけ勝つ確率が高いかを示す指標です。

計算式

勝率=勝数÷(勝数+負数)

この指標は、特に優れた投手を評価する際に用いられます。

例えば、2013年に楽天イーグルスの田中将大選手が1.00の勝率を記録し、話題になりました。

沢村賞

沢村賞は、投手にとって最高の栄誉とされる賞です。受賞するには、以下の基準をクリアすることが求められます。

登板試合数25試合以上

完投勝利10試合以上

勝利15勝以上

勝率6割以上

投球回数200イニング以上

奪三振150個以上

防御率2.50以下

2021年はオリックスの山本由伸投手がこの賞を受賞しました。

全ての基準をクリアする必要はありませんが、これらの基準をもとに選考が行われます。

いかがでしたでしょうか?野球選手の評価を数値化する事で客観的に判断ができ、また、自分の目標を明確にするためにも非常に重要です。数字は単なる記録ではなく、日々の努力を可視化し、改善のポイントを明確にしてくれるツールです。

算数で学んでいることはあくまで基礎的なところですが、スポーツや日常的なところに目を向けると多くの場面で用いられていることがわかります。

だからこそ算数って大切なんですよね^^

以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!

算数好きあつまれ〜!

京の算数学 解答#794

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