中1理科|初期微動継続時間の求め方|地震の時刻・距離・速さの計算【定期テスト対策】 京の算数学#1584

京の算数学問題#1584

同じ地震でAの震源距離72km、P波10時00分56秒、S波10時01分08秒。Bの震源距離120km、P波10時01分04秒。BのS波到達時刻を求める。

同じ地震を2地点で観測しました。

A地点は震源から72km、P波の到達が10時00分56秒、S波の到達が10時01分08秒。
B地点は震源から120km、P波の到達が10時01分04秒です。
B地点にS波が到達した時刻を求めなさい。

P波・S波はそれぞれ一定の速さで伝わり、初期微動継続時間は震源からの距離に比例するものとします。

解答は記事の下部です。

算数学コラム

初期微動継続時間=S波の到達時刻−P波の到達時刻です。

同じ観測地点で、先に届くP波から後に届くS波までの時間差を求めます。

地震が発生してからP波が届くまでの時間ではありません。

地震の計算は、表の数字をすぐ公式へ入れると混乱しやすい単元です。

「どこの地点か」「どの波か」「時刻なのか、かかった時間なのか」を分けると、計算の見通しが立ちます。

今回は中1の定期テストで使う基本を、ひとつの表から順に確認しましょう。

P波・S波と初期微動・主要動の関係

地震が起こると、震源から地震波が伝わります。

中学理科では、速いP波による最初の小さな揺れを初期微動、遅れて到達するS波による大きな揺れを主要動と言います。
P波はS波より速く、先に到達します。

「P波が止まってからS波が来る」とは限りません。
初期微動継続時間は、P波そのものが存在する時間の長さではなく、P波とS波の到達時間差です。
実際の揺れには地盤なども影響しますが、ここでは波の到達時刻を使った学習用の計算モデルで考えます。

初期微動継続時間の求め方|分をまたぐ引き算

A地点ではP波が10時00分56秒、S波が10時01分08秒に届いています。
56秒から次の分までは4秒、その後8秒なので、初期微動継続時間は4+8=12秒です。
秒の数字だけを見て「8−56」としないようにしましょう。

A地点の時間軸。P波到達10時00分56秒からS波到達10時01分08秒までが初期微動継続時間12秒。

別の方法なら、10時00分00秒を基準にして、P波は56秒後、S波は68秒後と書き換えます。
68−56=12秒です。
同じ基準へそろえれば、分をまたいでも引き算できます。

学習を見守るときは、「何秒?」だけでなく「どこからどこまでの時間?」と尋ねてみてください。
式が合っていても、地震発生時刻からの時間と取り違えていないかを確かめられます。
答案の表には、同じ地点のP波とS波を横線で結ぶのがおすすめです。

震源からの距離と初期微動継続時間は比例する

この問題のようにP波・S波がそれぞれ一定の速さで伝わると考えると、初期微動継続時間は震源からの距離に比例します。距離が2倍なら、初期微動継続時間も2倍です。
同じ地震・同じ条件の比較で使います。

Aは72kmで12秒、Bは120kmです。
距離は120÷72=5/3倍なので、Bの初期微動継続時間は12×120÷72=20秒。
比で書くなら「72:120=12:x」と、距離同士・時間同士の順番をそろえます。

ここで求まった20秒は「時刻」ではありません。
BでP波が届いてからS波が届くまでの時間です。
BのP波到達10時01分04秒に20秒を足し、10時01分24秒と求めます。

逆に継続時間が18秒の地点なら、震源からの距離は72×18÷12=108kmです。
距離と時間がともに長くなる向きかを確認すると、比例式を逆に立てたミスを見つけやすくなります。
比例の係数を一律に暗記せず、問題にある表や条件から求めましょう。

P波の速さは「2地点の差」から求める

同じ表からP波の速さも求められます。AとBの震源からの距離の差は120−72=48km。
P波の到達時刻の差は、10時00分56秒から10時01分04秒までの8秒です。
したがってP波の速さ=48÷8=6km/sとなります。

震源距離72kmと120kmの差48kmを、同じP波の到達時刻の差8秒で割る。P波の速さ6km/s。模式図であり地表の2地点間距離ではない。

この48kmは、各地点の震源距離の差です。
地図上でAとBを結んだ距離とは限りません。
図は計算関係を並べた模式図で、観測地点が実際に一直線上にあるという意味ではありません。

注意したいのは、72÷12=6という計算です。
今回たまたま答えの数がP波の速さと一致しても、震源距離÷初期微動継続時間は、P波そのものの速さを求める式ではありません。
12秒はP波が72km進むのにかかった時間ではなく、P波とS波の到達時間差だからです。
式の意味まで説明できるかを確認しましょう。

地震の発生時刻は、P波の到達から逆算する

P波の速さ6km/sが分かれば、震源からAまでの所要時間は72÷6=12秒です。
AのP波到達10時00分56秒から12秒戻して、地震の発生時刻は10時00分44秒と求められます。

Bでも120÷6=20秒なので、10時01分04秒から20秒戻すと10時00分44秒。
両方の地点で一致し、答えがあっているか確認ができます。
またS波はAまで24秒、Bまで40秒かかるため、72÷24=120÷40=3km/s。
表全体が一定の速さという条件と合っています。
ここでの6km/s・3km/sは問題上で作られた値で、すべての地震に共通の定数ではありません。

グラフでは軸と「同じ地点」を先に確認

横軸が地震発生からの時間、縦軸が震源からの距離のグラフなら、同じ距離の高さでP波・S波の線との交点を読み、その横の時間差を求めます。
縦の差を初期微動継続時間にしないようにしましょう。

軸が逆のグラフもあるので、「いつも横幅」とだけ暗記しないことが大切です。
時間の目盛りがどちらの軸にあるかを見て、同じ観測地点でのP波とS波の到達時刻を比べます。

テスト前の解き直しは3つの印から

① 地点A・Bを丸で囲む。
② P波同士を結ぶのか、同じ地点のP波とS波を結ぶのかを決める。
③ 答えの単位を「秒・時分秒・km・km/s」から選ぶ。

この3段階で、式を立てる前の読み違いを減らせます。

間違えた問題は数字だけ直さず、使った時間の下に「到達時刻の差」「P波の所要時間」など短く意味を書きます。
公式の数を増やすよりも、どの時間を使うか説明する練習が、表の問題への対応につながります。

一問一答PDF|地震の計算を8問で確認

用語、分をまたぐ引き算、比例、P波の速さ、発生時刻、誤った式の見分け方を8問にまとめました。
1ページ目が問題、2ページ目が解答・確認ポイントです。

中1理科|地震の計算 一問一答8問PDFをダウンロード
※A4・全2ページ。各問の条件に従って解いてください。

よくある質問

初期微動継続時間とは何ですか?

同じ観測地点で、P波が到達してからS波が到達するまでの時間差です。S波の到達時刻からP波の到達時刻を引きます。

地震が発生してからP波が届くまでの時間ですか?

違います。それはP波の所要時間です。初期微動継続時間はP波とS波の到達時間差なので、区別して使います。

なぜ震源から遠いほど初期微動継続時間が長くなるのですか?

P波の方が速いため、遠くまで伝わるほどS波との到達時間差が広がるからです。それぞれの速さを一定とする基本問題では、震源距離に比例します。

震源距離÷初期微動継続時間はP波の速さですか?

いいえ。P波の速さは距離÷P波の所要時間で求めます。2地点のデータを使うときは、震源距離の差をP波到達時刻の差で割ります。

まとめ|時間の意味を分ければ、地震の計算は整理できる

初期微動継続時間は「同じ地点のS波−P波」。距離は比例で比較し、P波の速さは「2地点の震源距離の差÷P波到達時刻の差」で求めます。答えが時刻なのか時間なのかを最後に確認し、別の地点でも検算してみましょう。

京の算数学 解答#1584

Aの継続時間12秒。Bは12×120÷72=20秒。BのP波到達10時01分04秒に20秒を足し、S波到達10時01分24秒。

Aの初期微動継続時間は12秒。Bでは12×120÷72=20秒です。

P波が届いた10時01分04秒の20秒後なので、答えは10時01分24秒です。

「20秒」は途中で求める継続時間で、問われた到達時刻まで答えましょう。

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