「わかった」と言うのに問題になると解けない子は何がわかっていないのか? 京の算数学#1508

数学コラムの目次

京の算数学問題#1508

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算数学コラム

「説明を聞いたときは、わかったと言っていた」
「一緒に解いたらできた」
「授業では理解しているように見える」

それなのに、いざ自分で問題を解こうとすると手が止まる。
少し数字や聞かれ方が変わると解けない。
テストになると、同じような問題で間違える。

このようなお子さんは、決して珍しくありません。

ここで大切なのは、「わかった」と「自分で解ける」は同じではないということです。

子どもが言う「わかった」には、いくつかの段階があります。

  • 説明の意味は聞いてわかった
  • 解き方を見ればわかる
  • 似た問題ならまねできる
  • でも、自分で最初の一歩を出せない
  • 問題文から何をすればよいか選べない
  • 数字や形が変わると使えない

つまり、「わかった」と言っているのに解けない子は、理解していないのではなく、
理解がまだ“使える形”になっていないことがあります。


この記事は、次のようなお悩みをお持ちの保護者の方に向けて書いています。

  • 小学生で、説明を聞いた直後はできるのに一人では解けない
  • 算数の文章題になると手が止まる
  • 中学生で、授業は分かるのにテストでは点が取れない
  • 「わかった」と言うので安心していたが、宿題やテストで間違いが多い
  • 解説を見ると分かるのに、答えを閉じると解けない
  • 京都市中京区・烏丸御池周辺で、算数・数学の学習塾を探している

この記事では、子どもの「わかった」を責めるのではなく、どこで止まっているのかを見分ける方法を整理します。


まず知っておきたい 「わかった」には段階がある

子どもが「わかった」と言うと、大人はつい
「もうできるはず」と思ってしまいます。

でも、算数や数学では、「わかった」にも段階があります。

段階子どもの状態まだ起こりやすいこと
① 聞いてわかった説明の流れは理解した自分で始められない
② 見ればわかる解説を見れば納得できる答えを閉じると解けない
③ まねすればできる例題と同じ形ならできる形が変わると止まる
④ 自分で解けるどの考え方を使うか判断できる応用にも対応しやすい
⑤ 説明できるなぜそうなるか言葉にできる理解が安定している

問題になると解けない子は、①〜③の段階で止まっていることが多いです。

本人はうそをついているわけではありません。
説明を聞いたときは、本当に「わかった」と感じているのです。

ただ、その理解がまだ自分で使えるところまで育っていないだけです。


塾の現場でよく見られるパターン

塾で子どもたちを見ていると、「わかった」と言うのに解けない子には、いくつかのパターンがあります。

パターン1 説明を聞いて納得しただけ

先生や保護者が説明すると、子どもはうなずきます。

「なるほど」
「そういうことか」
「わかった」

と言います。

でも、次の問題を自分で解こうとすると止まります。

これは、説明を聞いて納得をした段階です。

解き方の流れを見て納得はしています。
ただ、自分で問題を見たときに、どこから始めればよいかがまだ分かっていません。

例えば、分数の通分を説明して

1/2 + 1/3 = 3/6 + 2/6 = 5/6

と一緒に確認したとします。

その直後に、

1/3 + 1/4

を再度出すと、自力で解くことができない。

この場合、通分の説明は聞いて納得はしています。
でも、自分で分母をそろえる意味がまだ理解できていません。

パターン2 例題の形をまねしているだけ

例題と同じ形なら解ける子もいます。

たとえば、教科書の例題を見たあと、すぐ下の練習問題ならできます。

でも、数字が変わる。
聞かれ方が変わる。
文章題になる。
図形の形が変わる。

すると、急に解けなくなります。

これは、考え方ではなく、問題の形を覚えている状態です。

例えば「500円の20%はいくらですか」は解ける。

でも、「ある金額の20%が100円です。もとの金額はいくらですか」になるとわからない。

この場合、20%を求める計算はできても、割合の関係を使い分けるところでつまづいています。

パターン3 問題文から何を使うか選べない

算数や数学では、解き方を知っていることと、どの解き方を使うか選べることは別です。

たとえば、割合、速さ、比、方程式などは、問題文を読んで考え方を選ぶ必要があります。

「これは割合の問題だ」
「先に全体を求める」
「ここは方程式にした方がよい」
「この数字は使わない」

という判断が必要です。

ここでつまづくのは、解き方を知らないのではなく、問題を見たときに何を使えばよいか選べていないことがあります。

例えば、問題文に、「120円」「3個」「500円」「おつり」とキーワードが書いてある。

子どもは数字だけを見て、

500 − 120

と式を作る。

でも、本当はまず

120 × 3

で合計を出してから、おつりを考える必要があります。

この場合、計算ができないのではありません。
問題文にある数字の関係を読めていないのです。

ちなみにですがここで言う読解力は国語とは違い文章を構造で分けて考える、数理的思考力の部分です。

パターン4 最初の一歩が出ない

解説を聞けば分かる。
途中まで式があれば続けられる。
でも、白紙の状態から始めると止まる。

このタイプの子は多いです。

算数や数学では、最初の一歩がとても大切です。

  • 何を求めるのか
  • どの数字を見るのか
  • 図にするのか
  • 式を立てるのか
  • まず単位をそろえるのか
  • どの公式を使うのか

ここを自分で決める必要があります。

「わかった」と言うのに問題になると解けない子は、この最初の一歩で止まっていることがあります。

このパターンはまず初手を練習しましょう。
例えば割合の問題であれば文章中に割合、もとにする量、比べる量の順に印をつけていくなどです。

パターン5 言葉で説明できない

正解した問題でも、

「どう考えたの?」
「なぜこの式にしたの?」
「この数字は何を表しているの?」

と聞くと、答えられない子がいます。

これは、まったく分かっていないという意味ではありません。

ただ、考え方がまだ言葉になっていない状態です。

算数や数学では、説明できることが理解のすべてではありません。
説明が苦手な子もいます。

それでも、まったく言葉にできない場合は、理解がまだ浅い可能性があります。

特に応用力をつけたい場合は説明までできて初めて次のステップに進むことができます。

「わかった」のに解けないとき、何がわかっていないのか

1.問題で何を聞かれているかがわかっていない

文章題でよくあるのが、何を求める問題か分からない状態です。

問題文は読んでいます。
数字も見つけています。
でも、最後に何を答えればよいかがあいまいです。

見分ける質問

「この問題は、何を求める問題?」

ここで答えられない場合、式を作る前に問題の目的が見えていません。

対策

大抵ここでつまづくパターンはいきなり式を立てようとします。

すぐに計算に入らず、まず何を聞かれているか?を見つけましょう。
算数や数学の文章題では問題文の最後に何を聞かれているのか?が書かれています。
次に答えの単位を確認します。

「何円?」
「何人?」
「何cm?」
「何個?」
「何分?」

答えの形が見えると、問題文を整理しやすくなります。

2.数字の意味がわかっていない

文章題で出てくる数字には、それぞれ意味があります。

ところが、算数が苦手な子ほど、数字だけを見てしまいます。

「120」
「3」
「500」

という数字は見えていても、

  • 120円は1個の値段
  • 3は個数
  • 500円は出したお金

という意味が整理できていません。

見分ける質問

「この数字は何を表している?」

この質問に答えられない場合、数字を使っているようで、実は数字の意味を見ていないことがあります。

対策

式を立てる時の数字に単位を書きます。

120円
3個
500円

のようにするだけでも、式を作る前の整理がしやすくなります。

3.どの考え方を使うかがわかっていない

問題を解くには、計算方法を知っているだけでは足りません。

その問題で、どの考え方を使うのかを選ぶ必要があります。

たとえば、

  • 分数なら通分するのか、約分するのか
  • 割合なら、もとにする量を求めるのか、比べる量を求めるのか
  • 速さなら、距離・時間・速さのどれを求めるのか
  • 方程式なら、何をxにするのか
  • 図形なら、どの図形に分けるのか

ここを選べないと、「わかった」と言っていても自分では解けません。

この場合の考え方とは、公式とは少し違います。
公式はただ使うだけでは意味がありません、なぜその公式を使うと答えがでるのか?が大切です。

4.途中の手順がわかっていない

説明を聞いたときは、流れ全体が分かったように感じます。

でも、自分で解くと、

「次に何をするんだっけ」

となる子がいます。

これは、手順がまだ整理されていない状態です。

具体例

方程式で、

2x + 3 = 11を見たとき、

「両辺3を引く(もしくは移項する)」
「2で割る」

という流れが必要です。

でも、途中の手順があいまいだと、

2x = 11 + 3

のように符号を間違えたり、いきなり

x = 11 − 3

としてしまったりします。

対策

1行に1つの処理だけ書きます。

2x + 3 = 11
2x = 11 − 3
2x = 8
x = 4

途中式は、面倒なものではありません。
手順を見えるようにする道具です。

5.似た問題との違いがわかっていない

子どもが「わかった」と言っているのに解けないとき、似た問題との違いが見えていないことがあります。

たとえば、割合の問題では、

  • 500円の20%はいくらか
  • 500円を20%引きするといくらか
  • 20%引き後の値段が500円なら、もとの値段はいくらか

は、すべて違います。

でも、子どもには同じような問題に見えることがあります。

見分ける質問

「前の問題と、どこが違う?」

この質問で違いを見つけられる子は、考え方が整理されてきています。

6.自分で再現できるほど定着していない

解説を聞いた直後はできる。
でも、翌日にはできない。

これはよくあります。

その場で理解したことと、時間がたっても思い出せることは別です。

見分ける質問

「答えを閉じて、もう一回できる?」

解説を見ながらではなく、自分で再現できるかを確認します。

対策

解説を読んだ問題は、すぐにもう一度解きます。
さらに、翌日か数日後にもう一度解くと定着しやすくなります。


家庭でできる確認方法

「わかった」と言うのに解けないとき、家庭では次のように確認してみてください。

中学生だと難しいかもしれませんが、宿題をつきっきりで見るよりも効果がある場合があります。

①正解した問題を1問だけ説明してもらう

全部の問題で説明を求める必要はありません。

それをすると、子どもは疲れてしまいます。

おすすめは、正解した問題を1問だけ選んで、

「これ、どう考えたの?」

と聞くことです。

完璧な説明でなくても、

「先に全部の値段を出した」
「分母をそろえた」
「何を求めるか見た」

と言えれば、考える習慣がついています。

②数字を少し変えてみる

同じ問題の数字を変えると、理解しているかが見えます。

たとえば、

「300円の20%」

ができたら、

「500円の20%」

に変える。

さらに、

「20%引きなら?」

と聞く。

数字や聞かれ方が変わっても考えられるかを見ることができます。

③すぐに「何算?」と聞かない

文章題で、保護者がつい聞いてしまうのが、

「これは何算?」です。

もちろん、式を考えることは大切です。

ただ、最初から「何算?」と聞くと、子どもは問題の意味より、たし算・ひき算・かけ算・わり算を当てることに意識が向きやすくなります。

先に聞きたいのは、

「何を求める問題?」
「この数字は何?」
「どんな場面?」です。

④答えを閉じてもう一度解く

解説を見て分かった問題は、答えを閉じてもう一度解きます。

ここで解ければ、理解が少し自分のものになっています。

もし止まった場合は、「どこから分からなくなった?」と聞きます。

ここで、子どもがつまづいている場所が見えてきます。

⑤数日後にもう一度出す

本当に定着しているかは、時間を置くと分かりやすいです。

その場ではできた問題でも、数日後に止まることがあります。

これは、子どもが悪いのではありません。
まだ定着していないだけです。

大切なのは、忘れたことを責めるのではなく、もう一度思い出す機会を作ることです。


原因別の対策

原因1 説明を聞いてわかっただけの場合

  • すぐ次の問題を自分で解く
  • 解説を見ずにもう一度解く
  • 最初の一歩を言葉にする
  • 「どこから始める?」と確認する

説明を聞いただけで終わらせず、自分で使う練習を入れることが大切です。

原因2 例題のまねで止まっている場合

  • 数字を変えた問題を解く
  • 聞かれ方を変えた問題を解く
  • 前の問題との違いを言う
  • 同じ考え方を別の問題で使う

例題と同じ形だけでなく、少し形を変えることが理解を深めます。

原因3 文章題で数字だけを見ている場合

  • 数字に単位を書く
  • 何を求めるか先に確認する
  • 図や表にする
  • 問題文を一文ずつ分ける
  • すぐに式を作らせない

文章題では、計算の前に読み取りがあります。

ここを飛ばすと、解き方を知っていても使えません。

原因4 手順が抜ける場合

  • 途中式を1行ずつ書く
  • 1行に1つの処理だけする
  • 計算した場所に印をつける
  • 答えだけでなく途中を見る
  • 同じ種類の問題を短く練習する

手順が不安定な子には、スピードより順番を整えることが必要です。

原因5 定着していない場合

  • その場で解き直す
  • 翌日にもう一度解く
  • 数日後にもう一度確認する
  • 間違えた問題に印をつける
  • 全部ではなく重要な問題だけ戻る

定着には、時間を置いた確認が必要です。

一度できた問題をもう一度解くことは、遠回りではありません。


「説明できない=理解していない」と決めつけない

ここで注意したいのは、説明が苦手な子もいるということです。

言葉で説明するのが苦手でも、図なら表せる子がいます。
式なら書ける子もいます。
選択肢があると答えられる子もいます。

そのため、
「説明できないから理解していない」
とすぐに決めつける必要はありません。

ただし、

  • 何を求める問題か分からない
  • 数字の意味が言えない
  • 解説を閉じるとまったく始められない
  • 数字が変わると止まる
  • 数日後に同じ問題で止まる

場合は、理解がまだ使える形になっていない可能性があります。

見るべきなのは、子どもを責めることではありません。

どの段階でつまづいているか?を確認することが大切です。


塾の先生として見ていること

塾で「わかったと言うのに解けない」という相談を受けたとき、私はまず答えだけを見ません。

  • 説明を聞けば分かるのか
  • 自分で最初の一歩を出せるのか
  • 問題文の意味を読めているのか
  • 数字の意味を言えるのか
  • 例題と違う問題にも対応できるのか
  • 途中式が残っているのか
  • 答えを閉じてもう一度解けるのか
  • 数日後にも解けるのか

を逐一確認して授業を進めています。

「わかった」と言うのに解けない子は、やる気がないわけではありません。

多くの場合、理解が途中の段階にあります。

その子がどこで止まっているのかを見ることで、必要なサポートは変わります。


アイデア数理塾が大切にしていること

アイデア数理塾では、子どもの「わかった」をそのまま終わりにしません。

もちろん、「わかった」と感じることは大切です。
でも、そのあとに、

  • 自分で解けるか
  • 似た問題に使えるか
  • 数字が変わっても考えられるか
  • なぜその式になるか分かるか
  • 間違えたときに戻れるか

を確認します。

京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生の数学に不安がある方は、
「わかったと言っていたのに、なぜ解けないの?」
と責める前に、理解の段階を見てみることが大切です。

算数・数学は、説明を聞いて終わりではありません。

自分で考え、使い、解き直し、少しずつ定着させていく教科です。


まとめ 「わかった」と「解ける」の間には、もう一段階あります

「わかった」と言うのに問題になると解けない子は、決して珍しくありません。

その子は、うそをついているわけでも、やる気がないわけでもありません。

多くの場合、

  • 説明を聞いて納得しただけ
  • 例題の形をまねしているだけ
  • 問題文から何を使うか選べない
  • 最初の一歩が出ない
  • 数字の意味を見ていない
  • 手順が整理されていない
  • まだ定着していない

という状態です。

つまり、わかっていないのは、単元すべてではありません。

どこから始めるか。
どの考え方を使うか。
数字が何を表しているか。
なぜその式になるのか。
次に自分で再現できるか。

このあたりで止まっていることが多いです。

大切なのは、
「わかったって言ったでしょ」
と責めることではありません。

「どの段階のわかっただったのか」
を一緒に見ることです。

そこが見えると、算数・数学のつまずきは少しずつ立て直せます。

京の算数学 解答#1508

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