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京の算数学問題#1273

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算数学コラム
塾で生徒のノートを見ていると、
成績が安定している子には共通点があります。
それは、途中式が、見やすく整っていることです。
字がめちゃくちゃ上手、という意味ではありません。
むしろ、
- 字は普通
- 図はラフ
- ノートはシンプル
それでも、「考え方が見える途中式」になっています。
今日は、途中式がきれいな子に共通する“中身の違い”をお話しします。
①書く前に「整理」してから書いている
途中式がきれいな子は、
実は書く前に頭の中でこう考えています。
「次に何を書くか」
「どこが切り替わりか」
「ここで一行変えよう」
だから、
- 式が横に流れない
- ごちゃっと詰め込まない
- 無理に1行で書かない
行が変わる=考えの段階が変わる
この感覚があるかどうかが大きな違いです。
②「自分が見返す」前提で書いている
途中式がきれいな子は、ある意味では未来の自分を意識しています。
- あとで見直す
- 間違えたら戻る
- テスト中に確認する
だからこそ
- 数字を省略しない
- 符号を雑にしない
- =の位置がそろっている
これは、丁寧さというより、戦略です。
自分が困らないために、見やすく書いているだけなんです。
③「計算」と「考え」を分けている
途中式がきれいな子のノートを見ると、
- 式
- 計算
- 図やメモ
が、自然に分かれています。
一方、伸びにくい子は、
- 式と計算が混ざる
- 途中で数字だけが並ぶ
- どこから来た数字か分からない
分ける=整理する=理解する
途中式がきれい=思考の交通整理ができているということです。
④「最低限」で止める感覚を知っている
途中式がきれいな子は、実は“書きすぎない”です。
- 必要なところだけ書く
- 同じ計算は繰り返さない
- わかっている所は省く
これは、
どこが大事で、どこが大事じゃないか
が分かっている証拠。
つまり、理解度が高いから、きれいに見えるんです。
⑤間違い直しの質が高い
途中式がきれいな子は、
直し方もきれいです。
- 間違えた所だけ直す
- 余白に正しい式を書く
- どこが違ったか分かる
ノートが“成長の記録”になっています。
この積み重ねが、成績の安定につながります。
じゃあ、どうすれば途中式はきれいになる?
大事なのは、字をきれいに書くことではありません。
コツ①:1行=1つの動き
考えが変わったら、行を変える。
コツ②:=をそろえる
視線が安定し、ミスが減ります。
コツ③:余白を怖がらない
詰めないほうが、頭はよく動きます。
コツ④:間違えた所は残す
消さずに残すと、学びになります。
最後に
途中式がきれいな子は、
特別な才能があるわけでも、特別几帳面な性格なわけでもありません。
ただ、
「考えたあとが残る書き方」をしている
それだけです。
途中式は
- 正解するため
- 見直すため
- 次につなげるため
の道具。
きれいな途中式は、
成績が伸びる“結果”であって、目的ではありません。
京都市中京区・アイデア数理塾では
途中式について、
- 書く量の目安
- 見やすい配置
- テスト中の書き方
- ノートの使い方
まで含めて指導しています。
「途中式、どう書かせたらいい?」
という相談も、とても多いテーマです。
京の算数学 解答#1273




