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京の算数学問題#1271

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算数学コラム
小学校高学年になると、
多くの子が口をそろえて言います。
「分数がわからん…」
「急に算数が難しくなった」
「ここから嫌いになった」
でも、塾で見ていて思うのは、
分数そのものが難しいわけではないということ。
実は、分数が苦手になる子の多くは、
もっと前の段階でつまずいています。
それが「割り算の理解」です。
① 分数は“新しい計算”だと思われがち
分数が出てくると、急に見た目が変わります。
- 1/2
- 3/4
- 5/6
これだけで、「なんか難しそう…」という気持ちになる。
でも実は、分数は
まったく新しい計算ではありません。
分数は「割り算をそのまま書いただけ」
- 1/2 = 1 ÷ 2
- 3/4 = 3 ÷ 4
ただそれだけ。
つまり、割り算がイメージできていれば、分数も自然に理解できるんです。
② 割り算があいまいだと、分数は一気に難しくなる
割り算が「計算」だけになっている子は、分数でつまずきます。
よくある割り算の状態
- 割る意味が分からない
- 「÷」は作業だと思っている
- 文章題になると止まる
- 等分除と包含除の区別がない
この状態で分数に入ると
- 分母・分子の意味が分からない
- なぜ大きさが変わるのか分からない
- 1より小さい数が受け入れられない
つまり、分数=意味不明な記号になってしまう。
③「1より小さい数」が受け入れられない理由
これも大きな壁です。
「1/2って、1より小さいの?」
「3/4って、どういう大きさ?」
割り算の感覚がある子なら、
- 1を2人で分ける
- 1を4つに分けて3つ取る
とすぐにイメージできます。
でも割り算が苦手だと、
「小さい数 ÷ 大きい数」がピンとこない。
だから、分数の大小比較で混乱します。
④ 分数の計算が「暗記」になる瞬間
割り算の理解がないまま分数に入ると、
計算はすべて暗記になります。
- 分数の足し算は通分
- かけ算は分子×分子
- 割り算は逆数
「なぜ?」が分からないから、
ルールを丸覚えするしかない。
この状態が続くと、
中学に入って一気に崩れます。
⑤じゃあ、どうすれば分数はわかるようになる?
答えはシンプル。
もう一度「割り算の意味」に戻ることです。
ここで大事なのは、難しい問題を解くことではありません。
①分けるイメージを持つ
- 1個を2人で分ける
- 3個を4人で分ける
②単位量あたりを復習する(1あたりの考え)
- 6個を3人で
- 12cmを4等分
③図で考える
円・テープ・長方形で分ける
これができると、分数は自然に理解できます。
最後に
分数が苦手になると、
「算数が向いていないのかな…」
と不安になるかもしれません。
でもほとんどの場合、原因はもっと前にあります。
- 割り算を“作業”で覚えた
- 分けるイメージが足りない
- 言葉と数がつながっていない
それだけです。
分数は、割り算の延長線上にある。
ここに気づくだけで、算数の見え方が大きく変わります。
京都市中京区・アイデア数理塾では
分数が苦手な子に対して、
- 割り算の意味からの整理
- 図を使った分数理解
- 分母・分子の役割の確認
- 計算より“意味”を大切にする指導
を行っています。
分数は、分かった瞬間に
「なんで今まで分からなかったんやろ?」
となる単元です。
京の算数学 解答#1271




