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京の算数学問題#1165

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
小学校高学年になると算数で必ず登場するのが「割合」です。
「〇〇の△%は?」といった計算問題はできても、文章題になると急に手が止まってしまう子がとても多いです。
今回は、割合の文章題でつまずきやすい原因と、家庭でできる具体的なアプローチについてお伝えします。
なぜ割合の文章題は難しいのか?
割合が苦手になる理由は大きく3つあります。
- 「もとにする量」「比べる量」「割合」の区別があいまい
→ どれを基準にしているのか理解できていない。 - 言葉と式の対応ができない
→ 「AはBの〇%」を計算式に直せない。 - 具体的なイメージが持てない
→ パーセントや比の数値が実感できず、ただの数字の暗号に見える。
アプローチ① 「もとにする量」をはっきりさせる
割合の文章題は、「もとにする量」が何かを特定できるかどうかで決まります。
例:
「ある商品は定価の20%引きで、800円で売られています。定価はいくらですか?」
👉 ここでの「もとにする量」は 定価。
- 定価 × (100%-20%) = 800円
- 定価 × 0.8 = 800円
- 定価=1000円
👉 保護者の声かけ例
「この問題では、何を基準にしているのかな?」
「20%引きっていうけど、最初の値段はいくらのこと?」
アプローチ② 言葉を式に変換する練習をする
文章をそのまま計算式に変換できるようにするには、短文での練習が効果的です。
- 「定価の80%が800円」 → 800 ÷ 0.8
- 「Aの120%がB」 → B ÷ 1.2
👉 最初は一緒に「言葉 → 式」を声に出しながら整理すると理解が早まります。
アプローチ③ 図や割合ブロックで視覚化する
割合はイメージがつかめないと混乱しやすいので、 図やブロック を使って「見える化」するのがおすすめです。
- 長方形を100%として描き、80%の部分を塗る
- ブロックを10個並べて「これが100%」と見せ、2個減らして「20%引き」を表す
👉 視覚的に理解すると「なるほど!」と腑に落ちやすくなります。
アプローチ④ 身近なものに置きかえる
抽象的な数値よりも、身近な生活場面に置き換えると理解が進みます。
- スーパーの「2割引」
- ゲームのHPが「30%減った」
- YouTubeの「再生率80%」
👉 「実際の生活でどう使われているか」を意識させると、勉強の意味がわかります。
アプローチ⑤ 文章題は短いものから段階的に
いきなり長文問題に取り組むのではなく、短い文章題から少しずつ慣れると挫折しません。
- 「ある数の25%は12です。もとの数はいくつですか?」
- 「80の30%はいくつですか?」
👉 成功体験を積ませてから応用問題に進むと、自信が育ちます。
まとめ
割合の文章題は、「もとにする量」を見抜けるかどうかが最大のカギです。
そして、図やブロックでの視覚化や、身近な生活に結びつける工夫で理解が深まります。
- もとにする量を確認する
- 言葉を式に変える練習
- 図やブロックで視覚化
- 身近な例に置きかえる
- 短文問題からステップアップ
これらを家庭で取り入れることで、算数が「わからない」から「できる!」へと変わっていきます。
京の算数学 解答#1165
