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京の算数学問題#1112

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算数学コラム
みなさんこんにちは!
京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
「指定校で大学に行きたいから、高校受験はあえてレベルを下げる」
こうした進路選択は、実際によく見られます。
個人的には、この考え方自体は“アリ”だと思います。
しかし、「指定校推薦=簡単に大学に行ける裏ワザ」という認識には注意が必要です。
この記事では、指定校推薦の制度やメリット・デメリット、そして最近の動向まで解説しながら、本当に賢い進路選択とは何かを考えていきます。
指定校推薦とは?
指定校推薦とは、高校と大学の間で結ばれた「推薦枠」に基づき、学校の推薦を得て受験できる入試制度です。
主に私立大学で実施されています。
- 評定平均(内申点)が選考基準
- 一般的に【1年生〜3年1学期】までの成績が対象
- 小論文や面接が選考の中心(学科試験はほぼなし)
- 合格率が非常に高い(9割以上とも言われる)
おおむね12月には進路確定というケースが多いです。
指定校推薦のメリット
- 合格率が高い(ほぼ確約)
- 早期に進路が決まる → 受験ストレスが激減
- 一般入試よりもレベルの高い大学に進学できる可能性も
- 受験費用・学力試験対策が不要
特に「自分の強みは学力よりも人柄や活動歴にある」と感じる人には、大きなチャンスとなりえます。
デメリット・リスクも理解しておこう
- 専願制なので、合格後の辞退不可
- 大学・学部の選択肢が限定的
- 校内選考の競争がある(評定基準を満たしていても落ちる可能性あり)
- 指定校の枠は年によって変動がある ← ここが特に重要!
たとえば──
私の知人にも「ある大学に指定校で行きたい!」と、高校選びから逆算した人がいました。
ところが、3年生になって発表された指定校一覧にその大学名がなかったのです。
本人は成績も申し分なかったのに、チャンスすらなかった。
こういった“想定外”は、毎年起こっています。
【補足】近年、指定校推薦は“縮小傾向”にあります
これはあまり知られていませんが、近年多くの大学で指定校推薦枠が減少傾向にあります。
背景には以下のような事情があります:
- 一般選抜の得点比重を高める国の方針
- 学力の担保や多様な学生確保を重視する大学側の戦略
- 高校ごとの成績評価基準に差があることへの懸念
つまり、「昔はこの高校にこの大学の枠があったから安心」ではなくなってきているのです。
結論:指定校推薦は“戦略のひとつ”でしかない
指定校推薦を「第一志望を叶えるルート」として狙うのはアリです。
しかし、それだけに賭けるのはリスクが大きすぎるというのが本音です。
特に中学生・高校1年生の段階では、まだ何が起きるかわかりません。
- 指定校推薦を取れるような成績を維持しつつ、
- 一般入試でも勝てる学力をつけておく
この“二刀流”こそが、将来の選択肢を最大限に広げる現実的な戦略です。
最後に|進路を「思い込み」で決めないために
「指定校があるからこの高校に行こう」
「評定さえ取れればあとは楽できる」
──こうした“うまい話”に見える進路は、長期的に見ると大きな落とし穴になることがあります。
進路は人生の選択。慎重に、でも柔軟に。
そして、どの道を選んでも「その道で努力する力」が最終的な未来を変えるのです。
以上、京都市中京区のアイデア数理塾・油谷拓哉がお届けしました!
京の算数学 解答#1112
