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京の算数学問題#1092

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で学習塾「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
小学校のときは算数が得意だったのに、中学に入った途端に「数学が苦手になってしまった」という声をよく聞きます。
これは決して珍しいことではなく、多くの中学生が同じような壁にぶつかっています。
この記事では、中学生が数学を苦手に感じる原因と、保護者としてできるサポート、そして効果的な克服法について詳しくお伝えします。
なぜ中学生になると数学が苦手になるのか?
1. 内容が「抽象的で哲学的」になるから
小学校の算数は、足し算・引き算・図形など、目に見える世界を扱ってきました。
しかし中学校の数学では、「文字式」「関数」「比例・反比例」など、目に見えない概念を扱うようになります。
これはまさに「哲学的な思考」を求められるようになるということです。
たとえば、「関数」という言葉を聞いても、最初はピンと来ない子がほとんどです。
でも、これは自然なこと。中学生の脳はまだ抽象的な思考能力が発達途中だからです。
特に14歳前後は、具体と抽象を行き来する力が育っている最中なので、数学という“考える力”が問われる教科に戸惑いが出やすくなります。
2. テストの形式が大きく変わるから
中学校では、学期ごとに定期テストが実施されます。
小学校では単元ごとに小テストがあり、その都度復習できたのに対し、中学では広い範囲を一度にまとめて試験されるため、準備が難しく感じられます。
「前回のテストはできたのに、今回は点数がガクッと下がった…」
このような経験をすると、子どもは自信をなくし、「数学は難しい」「自分には向いていない」と思い込んでしまうのです。
また、小学生の「80点」と中学生の「80点」は意味合いが異なるにもかかわらず、子どもはその違いに気づきにくいため、自己評価のズレが苦手意識につながることもあります。
3. 「100%理解しないとダメ」と思い込むから
まじめで努力家な子ほど、「すべて理解しないと前に進んではいけない」と感じてしまいます。
しかし数学は、「完全な理解」を目指しすぎると、かえって混乱してしまう教科です。
とくに中学では、「なぜその公式が成り立つのか」など、深い理解よりまず使ってみることが大切な場面も多くなります。
実は数学の中には、歴史的・哲学的な背景を持つ考え方もあります。
たとえば「0」という数字は、長い人類の歴史の中でようやく認められてきたもの。
宗教的理由で「無」は受け入れられず、0を使った学者が迫害されたこともありました。
つまり、数学は単なる計算ではなく、概念と思想の積み重ねでもあるのです。
こうした背景を踏まえると、「すべてを完璧に理解しようとせず、まずは8割わかればOK!」という姿勢のほうが、前に進みやすくなります。
数学への苦手意識を克服するためにできること
1. 抽象的な概念は「具体例」で理解させる
「関数とは何か?」「xはなぜ必要なのか?」など、抽象的な言葉に出会ったときは、具体的な場面に置き換えて説明することが効果的です。
たとえば、関数を「ジュースの値段と本数の関係」として図で説明するなど、生活に結びつけると理解が進みやすくなります。
2. 定期テスト前には「勉強計画」を一緒に立てる
テスト範囲が広くなる中学数学では、計画的な勉強が不可欠です。
保護者として、テスト前に
- どの単元が苦手か?
- どこから手をつけるか?
- 毎日どれくらいの量を進めるか?
などを一緒に話し合い、無理のない勉強スケジュールを組むことで、達成感と安心感を持って学習に取り組むことができます。
3. 「全部わからなくても大丈夫」と伝える
数学は100%を目指すものではなく、「ある程度理解してから、徐々に精度を上げていく教科」です。
80%理解していれば十分、あとの20%は「なんとなくOK」でも大丈夫。
そう伝えることで、子どもの気持ちが軽くなり、前向きに取り組めるようになります。
数学は“できる”ようになる教科です
数学は「才能」ではなく、「積み重ね」で力がついていく教科です。
一度苦手意識がついてしまっても、適切なサポートと学習方法で、確実に得意分野に変えていくことができます。
中学数学を通して身につく「論理的思考力」「問題解決能力」は、他の教科や将来の仕事・生活でも役立つ重要なスキルです。
保護者のあたたかい理解と支えがあれば、きっと子どもたちは前向きに学び、自信を持って数学に取り組めるようになります。
以上、京都市中京区のアイデア数理塾
油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
「数学がわかるって、おもしろい!」
そんな瞬間を一緒に増やしていきましょう!
京の算数学 解答#1092
