ICT教育は本当に子どもに良いのか?〜視力低下と依存リスクから考えるデジタルとの付き合い方〜 京の算数学#1102

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算数学コラム

こんにちは。京都市中京区で学習塾を運営している油谷拓哉(ゆたに たくや)です。

最近は「ICT機器を使って効率よく学習しよう」という言葉をよく聞きます。
確かに、学びの手段として便利なのは間違いありません。

しかし、それが本当に子どものためになっているのかどうか。
今回は、小学生にとってのICT機器との付き合い方について、実際のデータも踏まえて考えていきます。

小中学生の視力が急速に低下している

文部科学省の調査によると、視力1.0未満の小学生は37.5%、中学生では58.2%と、過去最多を記録しています。

出典:リセマム
日本経済新聞

赤ちゃんの視力は未発達で、6歳頃に1.0に到達し、10歳頃までに成熟すると言われます。

この期間を「感受性期」と呼び、視力の発達にとって非常に重要な時期です。

この時期に長時間デジタル画面を見続けることが、将来的な視力低下に繋がる恐れがあるのです。

小学生にとってのリスクとは?

特に小学校4〜5年生は視力の発達途上にあり、ここでのデジタル導入は注意が必要です。

2021年に行われたデジタル教科書の実証事業では、授業後に目の疲れ・首や肩の痛みを訴えた子どもが2〜4割にのぼりました。

実際、塾に通う子どもでも、1日10時間以上iPadやスマホを見ているというケースもあり、身体的な負担は無視できません。

ICT機器にももちろんメリットはある

ICT機器は悪者ではありません。
たとえば以下のようなメリットもあります。

  • 処理能力・反応速度の向上
  • コロナ禍での不登校支援や遠隔学習
  • 授業の見直し・復習がしやすい
  • 情報検索能力の向上

大切なのは、「使い方次第で大きな力になる」ということです。

子どもに合わせた「付き合い方」がカギ

学校でのICT教育は一律に導入されがちですが、本当に大切なのは個別の使い方の調整です。

たとえば、

  • ゲーム依存傾向のある子には時間制限を
  • 画面を見る時間を「区切って」使う
  • 外での活動や遊び時間を意識的に設ける

といったように、家庭でルールを設定することで、健康的なバランスが保たれます。

家庭でこそできるサポートを

学校では個別の管理が難しいからこそ、家庭での過ごし方が決め手になります。

親としてできることは、

  • デバイスの使い方に関心を持つこと
  • 使用時間を一緒に決めて守ること
  • 時には「デジタルから離れる時間」を意識してつくること

ICT機器は、子どもにとって可能性を広げる道具です。
しかし、だからこそ「どう付き合うか」がこれからの時代の教育のテーマなのではないでしょうか。

以上、京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉がお届けしました。

算数・数学好き、あつまれ。

京の算数学 解答#1102

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