数学コラムの目次
京の算数学問題#1013

アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
こんにちは!京都市中京区でアイデア数理塾を運営しています、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
「一度決めたら最後までやりきらないと気が済まない」
「問題が解けないとついイライラしてしまう」
そんな“完璧主義”の一面を持つ子どもたちは、努力家で一生懸命なようにも見えますが、実はその内側で大きなストレスを抱えていることがあります。
今回は、完璧主義になりやすい子どもたちの特徴とその背景、そして親や大人ができるサポート方法についてお話しします。
完璧主義の子どもによく見られる傾向
完璧主義傾向のあるお子さんには、以下のような特徴が見られます。
- 突然の予定変更に弱く、マイルールが多い
- 気持ちの切り替えが苦手
- 自分に対して過剰な期待を抱きがちで、目標が高すぎる
- 目標が達成できないと強い不安を感じ、自分を責めてしまう
こうした状態が続くと、自己肯定感の低下につながり、「自分はダメだ」と思い込んでしまうこともあります。
なぜ完璧主義になってしまうのか?
完璧主義の背景には、いくつかの要因があります。
大きく分けて次の2つが挙げられます。
① 周囲の関わりによる影響
親や先生が、知らず知らずのうちに子どもに高すぎる期待をかけたり、失敗する前に助けてしまうことがあります。
その結果、子どもは「失敗してはいけない」という意識を強く持ち、失敗への耐性が低くなってしまう事があります。
② 発達特性によるもの
発達障害の特性のひとつとして、極端な完璧主義を持つケースもあります。
この場合は、専門的なサポート(療育・カウンセリングなど)が必要になることもあります。
どちらにせよ、大切なのは「子どもが抱えている背景」をしっかり理解し、適切な距離で寄り添うことです。
完璧主義のメリットとデメリット
完璧主義にはネガティブな印象もありますが、実は大きな強みもあります。
<強み>
- 一度決めたことを丁寧にやり抜く力がある
- 細かい作業や確認が得意で、周囲からの信頼を得やすい
- 高い目標を掲げて努力する姿勢がある
<弱み>
- 疲れやすく、ストレスをためやすい
- 自分にも他人にも厳しくなりすぎてしまう
- 責任感が強すぎて苦しくなることも
このように、強みを活かしつつ、無理をしすぎない環境づくりがとても重要になります。
自分にとって「ちょうどいいルール」をつくる
完璧主義の子どもは、自分なりの“ルール”を大切にしています。
このルールを少し緩めて、自分を楽にする工夫が効果的です。
例:
- 目標は「100%」ではなく、「70%達成でOK」とする
- スケジュールを立てるときは、最初に“遊び”や“休憩”を入れる
- できなかったときの「次の一手」をあらかじめ考えておく
こうしたルール変更で、心に余裕が生まれ、持ち前の丁寧さや集中力が生きてきます。
勉強を「好き」になるための環境づくり
完璧主義の子が苦手とするのが、「要領よくこなす」というスタイル。
それゆえに失敗も多く、親として見ていて心配になる場面もあるかもしれません。
でも、失敗を咎めず、見守る姿勢こそが大切です。
ポイントは2つ:
- 結果ではなく、過程をほめること
「最後まで取り組んだね」「工夫したね」とプロセスに注目しましょう。 - 安心感を与えること
「失敗しても大丈夫」と伝え続けることで、子どもは本来の力を発揮しやすくなります。
完璧主義を“武器”に変えよう
完璧主義は、決して悪いものではありません。
その力を活かすも殺すも、周囲の理解とサポート次第です。
勉強を好きになり、自分を好きになれるような環境を、一緒につくっていきましょう。
以上、京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#1013
