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京の算数学問題#988

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算数学コラム
みなさんこんにちは!
京都市中京区で「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
今回は、小学校算数の中でも「割合」「濃度」に関する内容を取り上げます。
「濃度って苦手…」
「問題を解こうとしても、どこから手をつけていいかわからない…」
そんなお子さんも多いのではないでしょうか?
実は濃度って、普段の生活にも深く関わっているんです。
その中でも特にわかりやすいのが「消毒用アルコール」の濃度。
先日、こんな質問を受けました。
「アルコール70%って低くない?100%にすればもっと強くなるんじゃないの?」
確かにそう思いますよね。
でも実は、消毒用アルコールを70%にしているのには、ちゃんとした理由があるんです。
今日は「濃度」の考え方をアルコールの話を交えながらわかりやすく解説します!
実際の濃度の計算問題も紹介するので、しっかり理解していきましょう!
アルコール濃度が100%ではなく70%である理由
アルコールの消毒効果を最大限に発揮させるには、水が必要なんです。
アルコール単体(100%)では確かに殺菌効果は強いのですが、すぐに蒸発してしまうため、十分な効果を発揮できません。
ところが、水を含ませると蒸発しにくくなり、細菌やウイルスにじっくりと作用することができるんです。
このため、アルコール濃度は70%前後が一番効果的と言われています。
では、100%アルコールではどうなる?
100%のアルコールでも消毒はできます。
でも、瞬間的に細菌やウイルスの膜を破壊してしまうと、新たに膜を作られてしまうことがあります。
アルコールが浸透する前に膜が再生されてしまうと、結局消毒効果が弱くなってしまうんです。
だからこそ、100%ではなく70%程度の濃度が一番効果的なんですね。
アルコールでなぜ消毒できるのか?
細菌やウイルスには、タンパク質でできた膜があります。
消毒用アルコールに含まれるエタノールは、このタンパク質の膜を破壊し、細菌やウイルスを無力化します。
- 100%のアルコール → すぐに膜が壊れるが、再生しやすくなる
- 70%のアルコール → ゆっくり膜を壊すため、効果が持続
だからこそ、70%前後のアルコールが最も効果的というわけです。
100%アルコールはどんなときに使う?
では、100%アルコール(無水エタノール)はまったく使われないのかというと、そうではありません。
無水エタノールは速乾性が非常に高いため、
✅ 機械や電子機器の掃除
✅ 水分を嫌う素材の消毒
✅ 油汚れの除去
などに使われています。
ただし、皮膚につけると水分が奪われてしまうので、手荒れの原因になることがあります。
実際に濃度の問題を解いてみよう!
では、ここで実際に濃度の問題を考えてみましょう!
【問題①】
70%のアルコール100mlに含まれるアルコールは何mlでしょうか?
解き方
70%というのは、全体の70/100(=0.7)がアルコールという意味です。
だから、
100×0.7=70
答え:70ml
【問題②】
60%の食塩水が200mlあります。この中に含まれる食塩の量を求めましょう。
解き方
60%というのは0.6倍という意味なので、
200×0.6=120
答え:120g
実生活と算数を結びつけよう!
実は「割合」や「濃度」は、算数でよく出てくる割合の考え方と深く関わっています。
- 濃度 = (含まれている成分) ÷ (全体の量) × 100
- 食塩水やジュースの濃度も、同じ考え方が使える
「濃度」というと難しく感じるかもしれませんが、身近な例を使うと理解がスムーズになります。
アルコール濃度のまとめ
✅ アルコール濃度が70%なのは、消毒効果を最大限にするため
✅ 100%アルコールは蒸発が早すぎて消毒効果が持続しにくい
✅ 実生活の中でも割合や濃度の考え方が活用されている
まとめ
いかがでしたか?
濃度の問題は「割合」と「全体量」の関係を理解するとスムーズに解けます。
特に「100%が最強!」と思いがちですが、実際には70%が効果的というのは面白いですよね。
実生活に結びつけると、算数の理解も深まります。
濃度の問題に苦手意識がある人も、ぜひ一度実生活に結びつけて考えてみてください!
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#988
