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京の算数学問題#986

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算数学コラム
こんにちは!
京都市中京区で学習塾を運営している 油谷拓哉(ゆたに たくや) です。
小学6年生では「場合の数」を学びます。
「場合の数」は、ある条件のもとで「何通りの組み合わせがあるか?」を数える 単元です。
でも、こんな疑問を持つ子どもも多いです。
- 「どのように数えればいいの?」
- 「全部書き出すのは大変すぎる!」
- 「計算で求める方法はないの?」
今日は、場合の数の考え方と解き方のコツ をわかりやすく解説していきます!
① 場合の数とは?
場合の数とは、考えられる選び方や並べ方の総数を求めること です。
例えば、こんな問題を考えてみましょう。
例題1:サイコロを1回ふるとき、出る目の数は何通り?
サイコロの目は 1, 2, 3, 4, 5, 6 の6つです。
この場合、サイコロを1回ふったときに出る目の数は、6通り になります。
このように、すべての可能性を数え上げることが「場合の数」の基本です。
② 書き出して考える方法(樹形図)
すべての組み合わせを1つずつ考える方法として、樹形図(じゅけいず) があります。
例題2:A・B・Cの3人が順番に並ぶ方法は何通り?
この問題では、3人を順番に並べる方法(順列) を考えます。
【すべての並び方を書き出すと】

答え:6通り
これを樹形図と言います。
木の枝のように見えますよね。
このように、1つずつ書き出せば確実に数えることができますが、人数が増えると大変になります。
そこで、計算で求める方法 を次に説明します。
③ 計算で求める方法(順列と組み合わせ)
場合の数を求めるときは、「順列(並べ方)」と「組み合わせ(選び方)」の考え方を使います。
① 順列(ならべ方)
順番を考えて並べるとき に使います。
例えば数字を並べ替えて3桁のの数字を作る場合や、ボールを順番に取る場合が順列です。
並べるときの考え方
- 1つ目の人を選ぶ → 3通り
- 2つ目の人を選ぶ → 2通り
- 3つ目の人を選ぶ → 1通り
3×2×1=6通り3 × 2 × 1 = 6 通り
【ポイント】
- 順番を考える場合を「順列」という。
② 組み合わせ(選び方)
順番を考えずに選ぶとき に使います。
例えば、次のような問題を考えましょう。
例題3:5人の中から2人を選ぶ方法は何通り?
選ぶだけで順番を考えないので、1回目にAさんを選び2回目にBさんを選んだ場合と1回目にBさんを選び2回目にAさんを選んだ場合とでは同じものとみなします。
5×4÷2= 10 通り
÷2の意味は重複している組み合わせを減らしています。
ただし、この計算方法は小学生の多くは理解が難しいと思うのでこのように考えてみましょう。

順番に書いていくことが大切です。
順列と組み合わせは混同しやすいのでしっかりと区別して覚えていきましょう。
【ポイント】
- 順番を考えない場合は「組み合わせ」 を使う。
- 書き出してみる事が大切
④ 「場合の数」の計算を使う例題
例題4:3種類の服と2種類のズボンの組み合わせ
「赤・青・白のTシャツ」と「黒・グレーのズボン」があるとき、
Tシャツとズボンの組み合わせは何通りあるでしょう?
【考え方】
- Tシャツの選び方 → 3通り(赤・青・白)
- ズボンの選び方 → 2通り(黒・グレー)
答え:3 × 2 = 6通り
このように、場合の数は「○通り × ○通り」のように掛け算で求めることができます!
⑤ まとめ
場合の数を求める方法は3つあります。
方法 | 使う場面 | 求め方 |
書き出す(樹形図) | 簡単な問題 | 1つずつ丁寧に数える |
順列(並べ方) | 順番を考える | かけ算を使う |
組み合わせ(選び方) | 順番を考えない | 表や書き出し整理をする |
場合の数は、問題によって使う考え方が違う ので、しっかり整理しておくことが大切です!
⑥ さいごに
場合の数の問題は、一見すると難しく感じるかもしれませんが、
「書き出す」→「法則を見つける」→「計算で解く」 という流れで解いていけば、
スムーズに答えを求められるようになります!
また、実生活でも組み合わせを考える場面はたくさん あります。
- 「今日の服のコーディネートは何通り?」
- 「お弁当に入れるおかずの組み合わせは?」
こうした身近な場面でも、「場合の数」を意識してみると楽しく学べるはずです!
しっかり練習して、算数を得意にしていきましょう!
京の算数学 解答#986
