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京の算数学問題#981

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算数学コラム
みなさん、こんにちは!
京都市中京区で学習塾を運営している 油谷拓哉(ゆたに たくや) です。
今日は 小学6年生で学ぶ「比の計算と利用」 の中から、実生活でもよく使われる 地図の縮尺 について解説していきます。
- 比とは何か?
- 比の求め方と比の値
- 地図の縮尺の問題の解き方
この3つをしっかり押さえれば、比の問題がスムーズに解けるようになります。
それでは、さっそく始めましょう!
比とは何か?
まず、「比」という言葉の意味を確認しましょう。
比とは、2つ以上の数量の割合を表すもの です。
たとえば、AさんとBさんが 3対2 の割合でジュースを飲んだとします。
このとき、Aさんの量とBさんの量を比べたものが 「3:2」 という比になります。
比の表し方
比は 「○:△」 のように書きます。(○対△と読む)
例:
- 赤い花と青い花の本数が5:3
- クラスの男子と女子の人数が4:5
- ジュースと水の割合が2:3
これらはすべて 比を使った表現 です。
比の求め方と比の値
比を使うことで、実際の問題を簡単に解くことができます。
① 比の求め方
例題1:リンゴとミカンの個数の比
リンゴが6個、ミカンが4個あるとき、リンゴとミカンの比を求めましょう。
比は、それぞれの数量を「:」で表します。
6:4 となりますが、比はできるだけ小さい整数の形にするのが基本です。
6と4は 2で割る ことができるので、
6:4 = 3:2 になります。
これが 比の求め方 です。
② 比の値
比の値とは、比の左の数を右の数で割ったものです。
例題2:比の値を求める
比が3:2のとき、比の値を求めなさい。
計算:
3 ÷ 2 = 1.5
答え:比の値は1.5
比の値を求めることで、2つの数量の割合を数字で表すことができます。
比の値が大きいほど、左側の量が右側の量に比べて多いことを意味します。
地図の縮尺とは?
次に、地図の縮尺 について説明します。
地図では、実際の長さをそのまま書くことができません。
そのため、地図上の長さと実際の長さの関係を 「縮尺」 という比で表します。
例えば、
縮尺「1:10,000」 とは、
地図上で1cmの長さが、実際の世界では10,000cm(=100m)になる という意味です。
縮尺のポイント
- 縮尺「1:10,000」なら 1cm → 10,000cm(100m)
- 縮尺「1:50,000」なら 1cm → 50,000cm(500m)
- 縮尺「1:100,000」なら 1cm → 1,000m(1km)
地図の縮尺の問題を解いてみよう
例題1:地図の距離を実際の距離に変換
ある地図の縮尺が「1:25,000」だとします。
地図上で4cmの距離は、実際の距離では何mでしょう?
解き方
縮尺「1:25,000」なので、地図上の1cmが実際には25,000cm です。
地図上で4cmなので、
25,000 × 4 = 100,000cm
100,000cm = 1,000m なので、答えは 1km となります。
答え:1km
例題2:実際の距離から地図上の距離を求める
実際の距離が5kmのとき、縮尺「1:50,000」の地図では何cmになるでしょう?
解き方
まず、5km = 500,000cm に変換します。
縮尺「1:50,000」なので、
500,000 ÷ 50,000 = 10cm
答え:10cm
例題3:適切な縮尺を選ぶ
ある地図で、東京から大阪までの直線距離400kmを「40cm」の長さに収めるとき、適切な縮尺はいくつ?
解き方
縮尺の比を「1:x」とすると、
40cmの地図上の長さ = 400kmの実際の長さ
400km = 40,000,000cm なので、
x = 40,000,000 ÷ 40
x = 1,000,000
答え:1:1,000,000(地図上1cm = 実際10km)
まとめ
- 比とは?
2つの数量の割合を表すもの。(○:△) - 比の求め方
数を小さくして表す。(約分する) - 比の値とは?
左の数 ÷ 右の数 で求める。 - 地図の縮尺とは?
縮尺「1:10,000」は 地図1cm = 実際100m の意味 - 地図の縮尺の問題の解き方
- 地図上の距離を実際の距離に変換するには掛け算
- 実際の距離を地図上の距離に変換するには割り算
さいごに
比の考え方は、算数だけでなく、社会や理科、さらには実生活でも役立ちます。
地図の縮尺を理解すると、旅行や登山、地理の勉強でもとても便利ですね。
今日も1日、算数をがんばりましょう!
京の算数学 解答#981
