京の算数学問題#863
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
中学受験について、近年では「子ども自身が希望した」という理由が最も多く挙げられるようになっています。
朝日学生新聞社の2019年の調査では、中学受験を経験した保護者に「中学受験を選んだ理由」を尋ねたところ、1位が「子ども自身が希望した」こと、2位が「教育内容が地元の中学校よりも良いこと」、3位が「高校受験をしなくて済むこと」という結果が出ています。これにより、子どもたちが自ら進路を選ぶ意識が強まっていることがわかります。
私の学習塾にも中学受験を目指す生徒が増えており、その動機も実に多様です。
私が小学生の頃には「勉強が嫌だから受験はしない!」と思っていたので、現在の小学生が自分と向き合って受験に向かう姿勢には感心します。
しかし、志望校を選ぶ際にはいくつかの注意点が必要です。
保護者様の意向も当然ながら影響は大きいものの、中学受験はやはり「生徒主導」であることが望ましいと考えます。
今日は、教育現場での経験を通して見えてきた「生徒主導の中学受験」のリアルをお伝えします。
中学受験を意識するタイミング
まず、中学受験を考え始める時期についてですが、多くのご家庭で意識し始めるのは小学校4年生頃が多いようです。
実際、私たちの塾でも、4年生で中学受験について考え始める生徒が少なくありません。
理由は様々で、友達が受験を決めたから、もっと勉強したいから、親や先生に勧められたから、など動機も多岐にわたります。
小学生が受験を意識するきっかけは、家庭や学校、友人関係など多方面から得た情報から来ていますが、子どもたちはその中で自分と向き合い、受験の道を選んでいきます。
そして、中学受験の情報収集もまた重要なポイントです。
前述の調査でも、情報収集を始めるのは4年生が最も多く、続いて3年生という結果が出ています。つまり、3年生から少しずつ受験を意識し始め、4年生で本格的に考え始めるというのが、近年の傾向といえるでしょう。
親子でしっかり情報を集め、子どもにとって本当に適した学校を見極めるためにも、早めの情報収集が大切です。
地域による受験意識の差
中学受験においては、地域によっても意識に差が生じることが多くあります。
例えば、私が新卒で勤めた塾は、教育熱が非常に高い地域と、逆に教育意識が低めの地域の両方にありました。
この対照的な地域では、子どもたちの受験に対する意識も異なり、教育熱が高い地域では周りの友達が当たり前のように受験を口にする一方で、教育意識が低い地域ではそのような話はあまり出ませんでした。
こうした地域差によって、中学受験を考えるタイミングや意識が左右されることもあります。
特に、地元の中学校の教育レベルや進学実績が関係していることが多いです。
教育熱が高い地域では、地元の公立中学校よりも私立中学校の方が教育内容が充実していると感じる保護者が多く、子どもたちも自然と中学受験を考える流れになります。
しかし、受験熱が低い地域では、保護者や生徒が私立中学に進むことをそれほど意識していないことが多く、地元の中学校をそのまま選ぶケースも多いです。
ですので、中学受験を考える際には、地域の教育環境も重要なファクターとなるのです。
志望校選びで気をつけたいこと
志望校選びは、中学受験において非常に大切なプロセスです。
受験の目的や進学先で学びたいことをしっかり見極めた上で、志望校を決定する必要があります。
特に中学受験では、各校の特色やカリキュラムが大きく異なるため、入学後に「思っていたのと違う」と感じてしまわないように注意が必要です。
例えば、教育水準が高い進学校に入ると、学習内容についていくのが難しい場合があります。もちろん、チャレンジ精神は大事ですが、入学後の環境に適応できるかも考慮する必要があります。
また、高校受験を避けるために中学受験を選ぶケースも多く見られますが、実際には高校受験の方がハードルが低い場合もあります。
中学受験は、受験者数が比較的少ないため、倍率が高くなることも多いです。
志望校のカリキュラムがどのように運営されているのか、また高校や大学への進学ルートはどのようなものか、長期的な目線で検討することが求められます。
中学受験を子ども主導で行う意義
何よりも大切なのは、中学受験を子ども自身が主導して行うことです。
受験はあくまで人生の一つの通過点であり、それ自体が人生のゴールではありません。
受験の本来の目的は、その先で得られる学びや経験であり、受験を通じて子どもが成長できるかが重要です。
中学受験の理由は「友達が行くから」「高校受験がスムーズになるから」「見学に行ったら面白そうだったから」「兄や姉が通っているから」など、様々で良いのです。
子どもが自分で決めて、納得のいく理由で頑張ることが、受験を成功に導く大きな要因となります。
親や先生がサポートして子どもが自ら選択肢を広げ、自分の進路を決める力を養うことが重要です。
また、「自分の意思で決める」ことで、責任を持って物事に取り組む力が育まれます。
結果的に、学校生活や勉強への取り組み方にも積極性が出て、目標に向かって努力する力がついていきます。
受験という一つの挑戦を通して、子どもが自立し、主体的に行動できるようになることが、最も大切な成果といえるでしょう。
終わりに
中学受験は決してゴールではありません。
大事なのは、子ども自身が受験を通じて何を学び、どのように成長するかです。
親が強く望むだけでなく、子どもが自らの意思で進んでいけるよう、サポートしてあげることが必要です。
本人が「やってみたい」という気持ちを持ち、主体的に挑戦していくことが、最も大切だと感じます。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!