京の算数学問題#838
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
よくある間違いの一つに、次の2つの問題の違いが理解できていないケースがあります。
(1)x + 2 + 2x
(2)x + 2 + 2x = 4 + x
この2つの問題、一見すると似たように見えますが、実際には全く異なる種類の問題です。
それぞれの解答は以下の通りです。
(1)の解答:3x + 2
(2)の解答:x = 1
生徒の中には、この2つの問題を混同してしまい、正しい解き方が分からなくなることがあります。今日は、文字式と方程式の違い、そしてそれぞれの解き方について詳しく解説していきます。
1. 文字式の解き方
文字式とは、文字を使って表された式で、まだ解答を求める段階ではなく、計算できる部分までを整理することが目的です。例えば、以下の問題を考えてみましょう。
(1)x + 2 + 2x
この問題では、文字(x)を使って式が構成されています。
解き方としては、同じ種類の項(この場合は「x」と「2x」)をまとめて計算します。
まずはこの手順を示します。
解答
x + 2 + 2x
= x + 2x + 2 ← 同じ種類の項(x)をまとめる
= 3x + 2
これで、この文字式は3x + 2に整理されました。
ポイントは、文字式では「=」を用いて計算過程を順に書き進めることです。
小学校で学んだ足し算や引き算と同じ考え方で進めるため、慣れた方法で解くことができるはずです。
【重要なポイント】
文字式を解くとき、分数の加法減法の場合は「通分する必要があります」。
これは、文字式が計算の整理を行うものであるためです。
例えば、1/2 + 1/3 のような計算では通分してから足し算を行うのと同様です。
2. 方程式の解き方
次に、方程式について解説します。
方程式とは、特定の文字が特定の値を取ることで成り立つ式**のことです。例えば、次の問題を考えてみましょう。
(2)x + 2 + 2x = 4 + x
この方程式では、xという文字がどのような値を取ればこの等式が成り立つのかを求める必要があります。
解き方は次の手順です。
解答
x + 2 + 2x = 4 + x
3x + 2 = 4 + x ← 左辺の文字をまとめる
3x – x = 4 – 2 ← xの項を左辺に、定数項を右辺に移項
2x = 2
x = 1
これで、x = 1 という解が得られました。
このように、方程式の目的はxの値を求めることです。
式を整理して、最終的にx = 数字という形にすれば解答となります。
3. 文字式と方程式の違い
ここまでの説明で、文字式と方程式の違いが明確になってきたと思います。
しかし、違いをしっかり理解するためには、さらに具体的なイメージを持つことが重要です。これを理解しやすくするために、次のような比喩を使ってみましょう。
【文字式は測り、方程式は天秤】
文字式は、例えるなら「測り」によって重さを量るようなものです。
文字式では、対象のもの(数字や文字)をまとめて整理するだけです。
例えば、リンゴを測ったら100gだった、というように、対象の数字や文字を一つにまとめればそれで良いのです。
計算できない部分まで整理することが目的なので、複雑な操作は必要ありません。
一方、方程式は「天秤」に例えられます。
方程式では、左側に対象の重さを乗せ、右側には基準となる分銅を置き、釣り合うように計算を進めていくイメージです。
式の左辺と右辺が釣り合うように計算を進める必要があり、もしどちらかに偏った場合は、バランスを取るために片方を増やしたり減らしたりする操作(移項)が必要です。
4. よくある間違いとその解消法
生徒がよく混同するのは、文字式と方程式の計算手順を同じものと考えてしまうことです。
例えば、文字式の計算で、いきなり両辺に同じ数をかけてしまうという方程式の手法を取り入れることがあります。
このような間違いを防ぐためには、文字式と方程式の役割の違いをしっかり理解することが大切です。
以下のポイントを頭に入れておくと、混同を避けやすくなります。
文字式:計算できる部分を整理することが目的。具体的な値は求めない。
方程式:特定の文字の値を求めることが目的。左右のバランスを取る必要がある。
特に、方程式を解くときには、左右が等しい状態を常に意識し、xの値を求めるための操作(移項や両辺に同じ数をかける・割る)が求められます。
これに対して、文字式は単に式を整理していく作業であり、式全体の等式関係はまだ成り立っていないため、そこまでの操作は必要ありません。
まとめ
文字式と方程式は似ているようで全く異なるものであり、解法も異なります。
文字式は計算できない部分まで整理するものであり、方程式はxの値を求めるためにバランスを取るものです。
この違いをしっかり理解して、問題ごとに正しい解法を選択することが大切です。
このように、測りと天秤をイメージすることで、文字式と方程式の違いをより直感的に理解できるようになります。
生徒がよく混同してしまう理由は、この違いが曖昧なためです。
この違いを明確にしておくことで、正しい計算方法を身につけ、ミスを防ぐことができるでしょう。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!