京の算数学問題#813
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
数学を教える中で、定期テストは安定して点を取れる生徒でも、長期休暇明けのテストでは点数が落ちることがあります。これは、学校の指導が単元ごとに区切られているため、生徒が数学をぶつ切りで捉えてしまい、全体像として学びにくいからです。
しかし、実際のところ、数学はつながりのある「物語」のようなものです。
特に四則計算(足し算、引き算、掛け算、割り算)の関係性を理解することで、その一貫性が見えてきます。
四則計算の基本
まず、四則計算について整理してみましょう。
加法(足し算)、減法(引き算)、乗法(掛け算)、除法(割り算)は、小学生から日常的に使っている計算方法ですが、それらの相互関係を理解することは、数学をより深く理解する手助けになります。
加法と減法
加法は物を増やす操作です。
たとえば、りんごが3つあって、そこに4つ加えると7つになります。
これは
3 + 4 = 7
という単純な加法です。
一方、減法は物を減らす操作です。
たとえば、りんごが7つあって、3つもらうと残りは4つです。
7 – 3 = 4
加法と減法は互いに反対の関係にあります。
加えたものを減らす、減らしたものを加えるという形で、常に対になっているわけです。
乗法と除法
次に、乗法(掛け算)と除法(割り算)です。
たとえば、4人にそれぞれ3つずつ飴を配ると、全部で何個必要かを考えると、
4 × 3 = 12
という式になります。
逆に、12個の飴を4人に均等に分けると、1人当たり3個ずつになります。
12 ÷ 4 = 3
このように、乗法と除法も互いに反対の関係にあります。
乗法で増やしたものを、除法で分割するという形です。
四則計算の応用
ここで少し発展的な話をしてみましょう。
加法の応用が乗法、減法の応用が除法だということが理解できると、計算の全体像が見えてきます。
たとえば、
3 + 3 + 3 + 3 + 3 + 3 + 3 + 3 = 3 × 8 = 24
これは、加法をまとめた結果として乗法が使われています。
同じ数字を繰り返し足す代わりに、乗法を使うことでより簡単に計算できます。
一方で、除法は減法をまとめたものと考えることができます。
たとえば、12 ÷ 4 = 3 という計算は、実は次のようにも表現できます。
12 – 4 = 8
8 – 4 = 4
4 – 4 = 0
4を何度も引いて、最終的に0になるまでの回数を数えると、3回引いたことがわかります。つまり、除法は減法をまとめたものなのです。
割り算の理解を深める
四則計算の関係性をさらに深めてみましょう。
たとえば、次のような計算があります。
3 ÷ 2 = 1.5 または 1あまり1
これは、どちらの答えも正しいといえます。
減法の応用として見ると「1あまり1」、乗法の逆操作として見ると「1.5」が正解です。
このように、どの視点から見るかによって答えが異なることもありますが、それぞれに数学的な意味があります。
また、次のような計算も考えてみましょう。
3 ÷ 1/2 = 6
これは、3つのパンを1/2個ずつに分けると、パンの個数が倍になるという意味です。
これは逆数をとるという考え方に基づいています。
掛け算の応用として解釈できるわけです。
0で割れない理由
0で割れない理由も、考えると面白いです。
たとえば、5つのみかんを0人に分けることはできません。
また、5つのみかんから0個ずつ分けるというのも、どうしても矛盾が生じます。
このため、割り算において0で割ることは不可能とされています。
高校数学へのつながり
このような四則計算の概念は、実は高校2年生で学ぶ微分積分の基礎にもつながります。微分積分も、加法や乗法の応用として捉えると理解が進みやすくなります。
たとえば、微分では関数の変化を捉え、積分ではその変化を逆に辿ることができます。
これは、四則計算の「まとめる」操作に似ているといえるでしょう。
数学はこのように、基本的な考え方を応用することでより深い理解へと導かれるのです。
まとめ:数学の「物語」を紡ぐ
四則計算の関係性を理解することで、数学という「物語」を紡ぐことができます。
数学は単なる計算の集合ではなく、概念のつながりを持つ一貫した世界です。
そのつながりをしっかりと理解することで、休み明けのテストであっても点数が落ちることなく、安定した成績を保つことができるのです。
以上、京都市中京区のアイデア数理塾 油谷がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!