京の算数学問題#568
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
最近私自身疑問に思うことがあるのです。
それが「得意なことだけ伸ばす」という指導法です。
確かに聞こえはいいんですが、良くご相談の中で耳にする
「苦手なことを放置して良いのか?」
「苦手なことをできるようにするのが努力なのではないか?」
という考えにも共感できます。
今日は私なりの得意を伸ばす指導に対する考え方をまとめていきたいと思います。
得意なことだけ伸ばすの真意とは?
私が感じている疑問の根幹は「得意なことだけ伸ばしましょう」という言葉が都合よく使われていると感じる事にあります。
得意なこと=好きなことではないですが近しいものであることは確かです。
ただ、これを「好きなことだけしていればいい」という認識で使っている人が多いように感じています。
それは子ども自身もそうですが、周囲の大人も「子どもに嫌われるのが嫌だから」というような理由で心を鬼にしないといけない場面で得意なことだけやればいいよという言葉を発する場面も見受けられます。
得意なことだけ伸ばすの真意は、「自分自身の才能に気づいてもらうこと」です。
例えばあなたが手先が器用で図工が大好きだとします。
でも手先が不器用で図工が苦手な人もいますよね。これはあなたの才能なのです。
人と比べ自信をなくしている子どもに得意なことに一旦集中しようと、そして、自分の良い能力に気づいてもらうきっかけになるのが「得意なことだけ伸ばそう」という声掛けです。
苦手なことを放置するとどうなる?
今の世の中は非常に便利です。
例えば計算ができなくても電卓があればいいですし、本を読むことが苦手でも動画サービスがあります。
なのでできない事をできないままにしていても「困るかどうか?がわからない」というのが現実です。
では苦手を放置するとどうなるのか?
「辛いことに立ち向かう力が育たない」というのが苦手放置の根幹ではないでしょうか。
人生山あり谷あり、生き続ければ当然壁が出てきますし、避けても避けても、どうしても乗り越えなければいけない壁が出てきます。
それを乗り越える力はある意味苦手な事に取り組み乗り越える経験でしか身につかないのです。
なにごとも偏るのは良くない
ただ、苦手なことだけに取り組みすぎて、自信を無くし、無気力になっている場合は「得意な事だけ伸ばそう」という指導は非常に有効です。
要するにバランスが大切なんです。
得意なことだけに意識がいってもうまくいかないし、苦手なことだけに意識がいってもうまくはいきません。
得意なこと=自分の魅力が自信を育み、苦手な事に立ち向かう力を育てます。
苦手な事に立ち向かい考え、努力をすることが人生をより豊かにしていきます。
バランスが大事というのは決して忘れてはいけません。
「得意なことをさらに伸ばすために苦手な事にチャレンジをする」
人間教育は木のイメージ。
私がとある勉強会に参加した際の講師の方の言葉でした。
主軸となる太い幹=得意なことや好きなことがあり、その周りに派生した能力がある。
大きな木には大きな根っこが必要。
根っこには養分を与えすぎたら腐るし、適度な水分と養分がひつようである。
また、室内だけで養成した木と外で養成した木では後者の方が気候変化に強い。
基本ベースは優しいで良いのですが、時には厳しく接することも教育には必要なことだと考えています。
そのためには得意な事を伸ばし、得意をさらに伸ばすために苦手な事にチャレンジをしていきましょう。
実際に私も数学は得意でしたが、国語は嫌いでした。
しかし、国語の勉強をやり始めてから文章が読み取れるようになり、数学の成績はさらにあがりました。
実体験あるからこそ伝えられます。
まずは得意なことを伸ばし、その上で苦手な事にチャレンジしましょう。
どちらが大事?ではなく両方がとても大切なことです。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!