今日の問題#088
今日のコラム
ケアレスミスが多い理由は途中式にあり!
「途中式を書きなさい!」
これは大正解なのですがお子様によっては逆効果の場合もあります。
今日は実際にあった事例から途中式について考えてみようと思います。
「計算ミスがなくならない」
僕のところに相談に来た彼の解答を見ていると全く理解できていないわけではない。
計算も非常に丁寧に途中式を書いて解こうとしているがどうしてもミスをしてしまう。
そこには3つの大きな原因がありました。
1.「途中式の書け」と言われたから書いていた
彼の話を聞いていると中学生の時からどうやら暗算で解答を書いていたら減点されていたらしい。途中式を先生が指示した通りに書かないと減点になってしまうのでとにかく意味もわからず書いていた。
本来、途中式を書く目的は「計算ミスを減らす事」と「計算のプロセスを理解する」事であるので、過剰なまでに書いていた途中式はむしろ計算ミスを増やす結果になっていた。
2.眼がうまく動いていなかった
眼球運動と言って目は文字を読む時にスムーズに動いていなければその分集中力は切れてしまう。頭で処理をするスピードに目がついていかないと「今どこを見ているか?」がわからなくなり符号ミス、2と3、6と8など形が似ている数字の見間違えが多発していた。
過剰なまでに丁寧に途中式を書くからこそ情報量が増えミスは増える事となる。
3.ワーキングメモリが鍛えられていない
もちろん生まれ持ったものがあるのだけれど、途中式を書いてしまうと暗算をしなくなる。
ワーキングメモリは「超瞬間記憶」といわれ暗算はワーキングメモリを鍛えるためにはすごく効率がいい。
かれは暗算をしなくなってから暗記も苦手になったという。
まさに途中式の書き過ぎがワーキングメモリを劣化させたと言える。
これらの原因がわかってからは、
まず、途中式の量を減らすように指導をして今書いている量の3分の1程度に減らし、ノートが勿体無いかもしれないが行間をはっきりと分けて式を区別できるように書く事を提案した。
次に眼球運動の改善トレーニングとワーキングメモリを鍛えるため、フラッシュ暗算や暗記カードなど毎日10分程度行うように指示をした。
結果少しずつではあったがケアレスミスは減り、点数が徐々に安定してきた。
途中式を書いて成績がアップした生徒は「書きすぎていない」
途中式を書きすぎていると感じた生徒がもしいたら是非、途中式を減らす事をすすめてほしいなと思います。
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