京の算数学問題#1534

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算数学コラム
「植物は二酸化炭素を吸って、酸素を出すんだよね?」
「それなら、植物は呼吸をしないの?」
「昼は光合成、夜は呼吸に切り替わるの?」
植物の学習で混乱しやすいのが、光合成と呼吸の関係です。
結論からいうと、植物も昼と夜の両方で呼吸しています。 光が当たると、呼吸に加えて光合成も行います。
この2つを分けて考えられるようになると、気体の出入りを答える問題や、石灰水・BTB溶液を使う実験問題が分かりやすくなります。
植物は昼も夜も呼吸している
最初に覚えたいのは、次の2点です。
- 呼吸:明るいときも暗いときも行う。
- 光合成:光が当たるときに行う。
「昼は光合成だけ、夜は呼吸だけ」と覚えるのは間違いです。
光の当たる葉では、昼は光合成と呼吸の両方が行われています。光のない夜には、光合成は行われず、呼吸が続きます。

植物は何のために呼吸するの?
植物は歩いたり走ったりしませんが、生きていくためにエネルギーが必要です。
たとえば、新しい葉や根をつくる、細胞のはたらきを保つ、必要な物質を取り入れるといった活動にエネルギーを使います。
そこで、細胞の中で酸素を使って養分を分解し、生命活動に必要なエネルギーを取り出します。
このはたらきが呼吸です。このとき、二酸化炭素と水ができます。
植物にはヒトのような肺はありません。
しかし、肺がなくても、細胞は呼吸を行います。
つまり、理科でいう呼吸は、単に「息を吸って吐くこと」だけではなく、その奥にある養分からエネルギーを取り出すはたらきまで含めて考えることが大切です。
葉だけでなく根も呼吸する
呼吸は、葉だけのはたらきではありません。根や茎などにある生きた細胞も呼吸します。
土の中の根は、土のすき間にある空気などから酸素を取り入れます。
光が当たらない根でも、生きていくための呼吸は必要です。
光合成と呼吸の違いを表で整理
| 比べる項目 | 光合成 | 呼吸 |
|---|---|---|
| 主なはたらき | 光のエネルギーを利用して養分をつくる | 養分を分解してエネルギーを取り出す |
| 使う物質 | 二酸化炭素、水 | 酸素、養分 |
| できる物質 | デンプンなどの養分、酸素 | 二酸化炭素、水 |
| 光の必要性 | 必要 | 光がなくても行う |
| 植物で行われる場所 | 葉などの細胞内の葉緑体 | 葉・茎・根などの生きた細胞 |
| 行われる時間 | 光が当たるとき | 昼も夜も |
短くまとめると、光合成は「養分をつくる」、呼吸は「養分からエネルギーを取り出す」という違いです。
使う物質とできる物質は、おおまかには逆向きに整理できます。
ただし、昼夜で切り替わる1つのはたらきではなく、それぞれ別のはたらきです。
昼は、なぜ酸素を出しているように見えるの?
昼の葉では、次の2つが同時に起こります。
- 光合成では、二酸化炭素を使い、酸素をつくる。
- 呼吸では、酸素を使い、二酸化炭素をつくる。
光が十分に当たり、光合成が呼吸よりさかんな場合は、光合成でつくられる酸素の量が、呼吸で使う量を上回ります。
その差が植物の外へ出るため、全体としては酸素を出しているように見えます。
二酸化炭素については、光合成で使う量の方が、呼吸で出す量より多くなります。
そのため、全体としては外から二酸化炭素を取り入れます。
ここでのポイントは、昼の呼吸が止まったわけではないということです。
数字で考えると分かりやすい
同じ時間に、光合成で二酸化炭素を「10」使い、呼吸で「3」出すとします。
数値は仕組みを説明するための例です。
外から取り入れる二酸化炭素の量は、10-3=7
となります。
外から見える出入りは、光合成だけの量ではなく、呼吸による出入りを差し引いた結果なのです。
夜は、どのように気体が出入りする?
光のない夜には、光合成は行われません。
一方、呼吸は続いています。
そのため、全体として、酸素を取り入れ、二酸化炭素を出します。
これは、動物の呼吸で整理する気体の向きと同じです。
| 状態 | 行われるはたらき | 全体として取り入れる気体 | 全体として出す気体 |
|---|---|---|---|
| 光が十分で、光合成が呼吸を上回る | 光合成と呼吸 | 二酸化炭素 | 酸素 |
| 光がない | 呼吸 | 酸素 | 二酸化炭素 |
光が弱いときはどうなる?
「昼なら必ず酸素を出す」と決めつけることはできません。
大切なのは時計の時刻ではなく、光合成と呼吸の大きさの関係です。
| 二酸化炭素について比べる量 | 全体として見た二酸化炭素の出入り |
|---|---|
| 光合成で使う量 > 呼吸で出す量 | 取り入れる |
| 光合成で使う量 = 呼吸で出す量 | 正味の出入りがない |
| 光合成で使う量 < 呼吸で出す量 | 出す |
光合成と呼吸がつり合うと、全体として二酸化炭素の増減が見られなくなります。
ただし、正味の出入りがないことと、どちらのはたらきも止まっていることは違います。
両方が同じ大きさで行われていても、差し引きはゼロになります。
植物の呼吸を確かめる実験
暗い場所に置くのはなぜ?
植物の呼吸で二酸化炭素が出ることを調べるときは、植物を暗い場所に置きます。
光が当たると、呼吸で出た二酸化炭素が光合成で使われ、変化が分かりにくくなることがあるためです。
暗くする目的は、光合成を行わせず、呼吸による気体の変化を調べやすくすることです。呼吸を止めるためではありません。
石灰水で二酸化炭素を調べる
例として、新鮮な葉と空気を入れた袋Aと、同じように空気だけを入れた袋Bを用意し、密閉して暗所に置きます。
初めの空気や温度、置く時間をそろえて比較します。
一定時間後、それぞれの袋の気体を同じ量だけ、同じ条件の石灰水に通します。
袋Aの気体によって石灰水が白くにごり、袋Bではほとんど変化しないという結果なら、葉の呼吸で二酸化炭素が増えたと考えられます。
石灰水が白くにごるのは、二酸化炭素があることを示す反応です。
酸素を調べているわけではありません。
袋Bは、もとの空気など、葉以外の条件による影響を確かめるために用意します。
BTB溶液で見る場合
緑色に調整したBTB溶液に水草を入れて光を遮る実験では、呼吸によって水中の二酸化炭素が増え、液が酸性の方向へ変化します。十分に変化が進むと、黄色になります。
BTB溶液が示すのは液の性質です。
「酸素が減ったことに直接反応して黄色になる」のではありません。
実験条件や最初の液の色によって結果は変わるので、問題文を確認して判断しましょう。
よくある間違い
「植物は光合成、動物は呼吸」と分けてしまう
植物も動物も呼吸します。
植物は、それに加えて、葉緑体のある部分で光合成を行います。
「昼は光合成だけ」と覚えてしまう
昼も呼吸しています。
十分な光の下では光合成の方がさかんなため、全体の気体の出入りが光合成と同じ向きになるのです。
「呼吸は気孔で行われる」と答えてしまう
気孔は、葉で気体が出入りする通り道です。
養分を分解してエネルギーを取り出す呼吸は、細胞の中で行われます。
「酸素が出ないから、光合成はしていない」と判断する
光合成でできた酸素が呼吸で使われる場合があります。
外への出入りだけでなく、光合成と呼吸の両方を考えましょう。
テスト前に確認したいポイント
- 植物は昼も夜も呼吸する。
- 呼吸では、酸素を使って養分を分解し、エネルギーを取り出す。
- 光合成には光が必要で、葉緑体で行われる。
- 光合成が呼吸を上回ると、全体として二酸化炭素を取り入れ、酸素を出す。
- 光がないときは、酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す。
- 光合成と呼吸がつり合っても、両方が止まったわけではない。
- 呼吸の実験で暗くするのは、光合成の影響を除くため。
確認問題
- 植物は、昼と夜のどちらで呼吸していますか。
- 呼吸で取り入れる気体と、出す気体を答えましょう。
- 光合成と呼吸のうち、養分をつくるはたらきはどちらですか。
- 光合成が呼吸よりさかんな場合、全体として取り入れる気体は何ですか。
- 呼吸を調べる実験で、植物を暗い場所に置くのはなぜですか。
- 光合成で使う二酸化炭素の量と、呼吸で出す量が等しいとき、正味の出入りはどうなりますか。
答え
- 昼と夜の両方。
- 酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す。
- 光合成。
- 二酸化炭素。
- 光合成を行わせず、呼吸による気体の変化を調べるため。
- 正味の出入りはなくなる。ただし、光合成も呼吸も行われている。
定期テスト直前対策 無料の一問一答PDFで確認しよう
今回の内容を、問題1ページ+解答1ページの一問一答PDFにまとめました。
光合成と呼吸の違い、昼夜の気体の出入り、石灰水を使う実験、差し引きで考える問題まで、全20問で確認できます。
▶ 中2理科「植物の呼吸・光合成との違い」一問一答PDFをダウンロード
まとめ 「両方が行われる」と考えよう
植物は、光合成だけで生きているわけではありません。
つくった養分からエネルギーを取り出すために、昼も夜も呼吸しています。
光合成は養分をつくり、呼吸は養分からエネルギーを取り出す。
そして、外から見える気体の出入りは、その2つのはたらきの差で決まります。
「昼は何、夜は何」と別々に暗記するよりも、まず呼吸はずっと続いていると考え、その上に光合成を重ねるイメージで整理してみましょう。
京の算数学 解答#1534




