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京の算数学問題#1157

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
塾や家庭学習を見ていると、よくいただくお悩みのひとつに
「兄弟姉妹で勉強の得意・不得意に差がある」 というものがあります。
「上の子は勉強が得意でテストもいつも良いのに、下の子はなかなか…」
「どうして同じように育てているのに、こうも違うの?」
親としてはどちらの子も大切に思っているのに、つい比べてしまい自己嫌悪してしまうこともありますよね。
今日はそんな「兄弟格差」の悩みに対して、家庭でできる接し方の工夫をお伝えします。
① 兄弟を比べる言葉は逆効果
つい口から出てしまうのが「お兄ちゃんはできるのに」「お姉ちゃんを見習いなさい」という言葉。
ですがこれは、できない子のやる気を削ぐだけ になりがちです。
子どもは自分でも「比べられている」と敏感に感じています。
親が比べることで「どうせ自分は…」と自己肯定感を失ってしまう危険性があるのです。
ポイントは「比べる対象を兄弟ではなく“過去の自分”にする」こと。
「前より漢字覚えられるようになったね」「この前より計算速くなったね」と、成長を認める言葉が効果的です。
② 得意分野を見つけて“役割”を与える
勉強の成績に差が出ても、子どもには必ず得意なことがあります。
スポーツ・絵・手先の器用さ・発想力…それを見つけて「〇〇はこういうところが強みだね」と伝えてあげましょう。
兄弟それぞれが“違う良さ”を持っていることを親が示すと、比べ合いではなく補い合いの関係に変わりやすくなります。
例:
- 勉強が得意な兄 → 下の子に算数を教えてあげる役割
- 絵が得意な妹 → 図やノートを工夫する役割
「役割」を与えると、子どもは「自分も大事にされている」と感じ、自然にやる気が出てきます。
③ 親の時間を“平等”ではなく“必要に応じて”配分する
兄弟で「公平に接しなきゃ」と思うあまり、同じ時間・同じ声かけをしようとすると逆に無理が出ます。
大切なのは「それぞれに今必要なサポートをする」こと。
例えば、成績が安定している子には「頑張りを認めて次の挑戦を後押し」、苦戦している子には「小さな成功体験を一緒に作る」ことが効果的です。
公平=同じ対応 ではなく、
公平=それぞれの子に合ったサポートをする と考えると楽になります。
④ 子どもの前で兄弟を褒める順番に注意
よくあるケースが、「勉強できる子を先に褒める → もう一人の子が拗ねる」というパターン。
特に下の子は「自分はどうせ2番目」と感じやすいので要注意です。
コツは 苦戦している子を先に褒めること。
そして兄弟の前で「この子もすごいけど、あの子もこういうところが素敵」と両方を立てると、ライバル心が和らぎます。
⑤ 塾や第三者の存在をうまく活用する
親がいくら工夫しても、兄弟格差の意識を完全に消すのは難しいものです。
そんなときは、塾や学校の先生など「第三者の声」が大きな支えになります。
第三者に認められると「家族だから褒めてくれるんじゃない」と感じ、自己肯定感が高まります。
また、親も兄弟関係のストレスから少し解放されるので、一石二鳥です。
まとめ:兄弟はライバルではなく仲間に
兄弟姉妹で勉強の得意・不得意が分かれるのは自然なことです。
親にできるのは、比較するのではなく、それぞれの良さを認めて役割を与え、仲間として成長できるように導くこと。
兄弟が「自分も認められている」と感じられれば、勉強への意欲も少しずつ変わっていきます。
ぜひ、ご家庭で小さな工夫から取り入れてみてください。
京の算数学 解答#1157
