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京の算数学問題#1129

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算数学コラム
こんにちは。京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
「うちの子、全然やる気がなくて…」
「勉強すればできるのに、やろうとしないんです」
このようなご相談は、日々の保護者面談で最もよく耳にするもののひとつです。
やる気が出ない原因は「性格」や「甘え」ではありません。実は、いくつかの“見えづらい要因”が積み重なっていることが多いのです。
今回は「子どものやる気が出ない」本当の原因と、それに対する親としての正しい対応法について、わかりやすく解説していきます。
「やる気が出ない」はサインかもしれない
まず知っておいてほしいのは、「やる気が出ない」というのは子どもが何かを訴えているサインかもしれないということです。
やる気のなさ=怠け者、ではありません。
「どうせやっても無理」「失敗したくない」「うまくできないのが怖い」などの心理的なブレーキがかかっていることがよくあります。
原因①:成功体験の不足
最も多いのがこのケースです。
一生懸命やってもうまくいかなかった経験が続いたり、成果を実感できないまま勉強を続けていると、やる気は自然と失われます。
特に算数や数学は「積み上げ型」の教科。
前の学年の内容があいまいだと、どんどん難しくなって「何をやってもわからない」状態になってしまいます。
対応策
・小さな成功体験を積ませること
→ たとえば、「昨日より5分長く集中できた」「計算ドリルが全部できた」など、ハードルの低い達成を一緒に喜びましょう。
・前の学年に戻ってOK
→ 小学5年生が3年生の内容に戻ってもいいんです。つまずきを解消して「わかる!できた!」を感じることで、自然とやる気が戻ってきます。
原因②:目標があいまい or 他人ごと
「何のために勉強するの?」という問いに明確な答えがないと、子どもはやる気を持ちにくいものです。
「テストの点数が悪かったら怒られるから」「○○しなさいと言われたから」といった外からの圧力だけで動こうとしていると、やる気の炎は続きません。
対応策
・本人の言葉で目標を設定する機会をつくる
→ たとえば、「将来やってみたいことある?」と聞いてみたり、「どんな大人になりたい?」と話すだけでも、心の奥にある動機づけが見えてきます。
・親の目標ではなく、子どもの目標を尊重する
→ つい「〇点取りなさい」「この高校を目指して」と言ってしまいがちですが、それは親の目標です。本人が納得できる小さな目標から始めましょう。
原因③:学習環境の影響
家がにぎやかすぎたり、テレビやゲームが目の前にある状態で勉強していては、集中しにくいのも当然です。
逆に、厳しすぎる雰囲気も子どもにとっては重荷になります。
また、塾や学校の先生との相性も意外と大きな要因になります。
対応策
・静かな環境、集中できる場所を整える
→ リビング学習でもOKですが、テレビやスマホの通知が入らないよう配慮を。
・「話を聞いてくれる大人」がいるかどうか
→ 子どもは、わからないことを質問できる環境、困っていることを相談できる大人がそばにいると安心して学べます。
原因④:心と体のコンディション
睡眠不足、運動不足、食生活の乱れなど、体の状態が学習意欲に大きく影響します。
また、学校生活や友人関係のストレスが原因で「やる気が出ない」ことも少なくありません。
対応策
・生活リズムを整える
→ 「早寝・早起き・朝ごはん」は基本ですが、特に小中学生はこれだけでも集中力が変わります。
・学校や塾の様子をさりげなく聞く
→ 「最近どう?」と気軽に話せる雰囲気をつくりましょう。子どもが悩みを打ち明けられる環境があるかがカギになります。
「やる気が出る」状態とは?
やる気というのは、最初から100%あるものではありません。
大人でも「やり始めたらやる気が出てきた」ということはありませんか?
つまり、やる気は「行動したあとについてくる」ものなのです。
子どもにとっても同じです。
まずは「行動を始める」きっかけと、小さな成功体験を一緒に喜んでくれる大人の存在が大切なのです。
最後に:親ができる一番のサポート
子どもがやる気を失っているとき、一番大切なのは「責めないこと」です。
「なんでやらないの?」ではなく、「最近ちょっと元気ないね。
何か困ってる?」というスタンスで寄り添うだけで、子どもは少しずつ心を開いてくれます。
アイデア数理塾では、一人ひとりの「やる気の火種」を見つけ、無理なく前に進めるサポートを大切にしています。
お子さんの「やる気」に悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
京の算数学 解答#1129
